【戦略・戦術・技術】に伴う【戦争・戦闘・決闘】という解釈。

かなり前の話になりますが、YouTubeで非常に興味深い動画を視聴しまして。

 

それが

 

 

-【戦略・戦術・技術】

 

 

これらの概念の理解を深めるために

 

 

-【戦争・戦闘・決闘】

 

 

と分類すれば分かりやすくなる、というものでした。(大雑把ですが)

 

 

 

 

その動画では主に「国同士の戦争」を想定した内容でしたが、考え方としては十二分に「サッカー」に置き換えることが出来るものでして。

 

私自身かなり「サッカー」に対する考え方が整理出来ましたので、今回はこのテーマを取り上げて記事化します。

 

ここで私が視聴した動画をご紹介して良いものなのか分かりませんので、もし気になる方がいらっしゃいましたら「戦争」「戦略」系で検索してみてください。

 

とても勉強になりますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回のテーマである【戦略・戦術・技術】。

 

「戦略・戦術」の考え方は私の中にもありましたが、ここに「技術」を加えることが個人的に衝撃でした。

 

この概念が加わるだけでずいぶん考えが整理出来るものだなぁ、と。

 

 

 

 

では、【戦略・戦術・技術】とはなにか?というと↓

 

 

・【戦争に勝つための工夫】 → 【戦略】 (上位)

 

・【戦闘に勝つための工夫】 → 【戦術】 (中位)

 

・【決闘に勝つための工夫】 → 【技術】 (下位)

 

 

なのだそうです。

 

そして上から書いた順に「上位概念」となります。

 

 

例えばですが、【決闘】とは【1対1】のことなのですが、この勝敗は【戦争】全体で見れば些事でしかなので「下位概念」となる、ということです。

 

 

-【戦争】において【戦闘】が発生し、【戦闘】において【決闘】が発生する。

 

 

これらの順番とそれぞれ個別の概念を頭に入れておかないと、見方と評価を誤ってしまいますよ、という話です。

 

 

そして、この【戦争・戦闘・決闘】は「サッカー」において↓

 

 

・【戦争】 → 【リーグ・大会】

 

・【戦闘】 → 【試合】

 

・【決闘】 → 【1対1】

 

 

に置き換えられるのではないか?というのが今回の記事の主題です。

 

 

【決闘】だけそのままの意味で使ってますが、「サッカー」において【1対1】はハリルホジッチが「デュエル」という言葉を日本に広めましたし、ニュアンスとしては通りがいいはずです。

 

そして「サッカー」における【戦争】は【リーグ・大会】にあたると思うのですが、【大会】まで入れるとややこしくなりそうなので一旦除外します。

 

そうして改めて整理すると↓

 

 

・【リーグで勝つための工夫】 → 【戦略】 (上位)

 

・【試合に勝つための工夫】 → 【戦術】 (中位)

 

・【1対1に勝つための工夫】 → 【技術】 (下位)

 

 

と言えるのではないかな、と。

 

 

ここで注意なのですが。

 

【1対1】での「勝敗」はイコール【試合】の「勝敗」を決しませんし、まして【リーグ】の「勝敗」を決しません。

 

例えば松本大輔あたりが【試合】でピーター・ウタカあたりにブチ抜かれたからと言って、それはその時点では【試合】の「勝敗」を決してませんし、失点したとしてもまだ「勝敗」を決しておらず、仮にそれが原因で【試合】に敗れてしまったとしても【リーグ】の「勝敗」には影響が無いかもしれません。

 

 

だから【1対1】は「下位概念」なのです。

 

 

しかし、当たり前ですが、だからといって軽視していい概念ではありません。

 

 

-【1対1】に敗れ続ければ【試合】に敗れ続け【リーグ】でも敗れてしまう。

 

 

私が言いたいのは「下位概念だからどうでもいい」という考え方は非常に危険で、優先順位は「上位概念」ですが、全部重要な概念ですよ、ということです。

 

 

名塚監督は【リーグ】において「下位概念」である【1対1】にこだわり過ぎた、重要視しすぎたから成績が奮わなかった、と個人的にみてますが、全部重要な概念ではありますが、やはり優先順位、大事です。

 

これはこれで取り上げたいので別途記事書きます。

 

 

 

 

さて、話を戻します。

 

 

プロサッカークラブにとって「勝ち」とはなにか?

 

これは各クラブの状況によって変わってくると思いますので一概には言えません。

 

「地域に根差す」ことが「勝ち」とか言い出すとキリが無いので、あくまでここでは↓

 

 

-「リーグ戦においての順位的な意味での目標達成」 = 「勝ち」

 

 

とさせていただきます。

 

 

今年の町田のように「J2優勝」「J1昇格」を掲げ、J2で1位を取れればそれが「勝ち」。

 

レノファの場合だと「トップ6」を掲げてますのでそれが達成できれば「勝ち」。

 

 

こういう解釈で話を進めていきます。

 

 

 

 

「リーグ戦においての順位的な意味での目標達成」をし「勝ち」を得るために【戦略】が重要なわけですが、では、「リーグで勝つために取れる最重要な戦略」は何だと思いますか?

 

 

ちなみに、これ、【戦争】においては

 

 

-「敵よりも多くの兵を集める」

 

 

です。

 

 

そのために国力を充実させる「内政」。

 

いざ戦時になれば周りの国が味方になってくれる立ち回りをする「外交」。

 

これらを叶える「情報」。

 

 

が肝要になって来るそうです。

 

 

 

 

やや話が逸れたので戻しまして、【戦争】においては「敵よりも多くの兵を集める」が最重要な【戦略】ですが、「サッカー」においては「ピッチに立てるのはお互い11人」というルールがあり、実行出来ません。

 

なので

 

 

-「相手よりも質の高い選手を揃える」

 

 

が「サッカー」において最重要な【戦略】でしょう、と。

 

 

要は「”量”でシバけないなら”質”でシバけ」ということです。

 

極論「全てのポジションで”質的優位”を取る戦力を準備すること」こそが最大の【戦略】だと言えると思います。

 

 

そういった戦力を揃えるために「内政」に力を入れ、収益を上げる。

 

「外交」に関しては、力を入れすぎてあまりにも直接的に「勝ち」を得ようとするとそれは八百長になりますので、どこそのイタリアの超名門クラブのようになりたくなかったらここはほどほどに、欲しい戦力を手に入れられるようにあらゆるクラブと仲良くしときましょうね、くらいでいいでしょう。

 

そしていずれにしろ「情報」が大切です。

 

 

近年のJリーグ、「情報」でアドバンテージを得た横浜マリノスが躍進してます。

 

シティ・グループ傘下に収まって以降、多少紆余曲折あったようですが、ちょっと手が付けられない無双モードに入っちゃったかな、と。

 

該当記事が見付けられなかったので記憶を頼りに書きますが、当時マリノスの強化部がシティ・グループの選手獲得候補リストを見て驚愕したそうです。

 

量、質、どちらを見ても最高級なリストだったそうで、マリノスは「必要な選手をピンポイントで補強出来る」というJリーグ界にとって圧倒的なアドバンテージを得ました。

 

スタイルの確立や急激な入れ替えは関係者にもファン・サポーターにも動揺が走ると判断したそうで、シティ・グループからの圧力はあったそうですが、急ぎすぎず丁寧に改革していった結果、今の強さに到ってます。

 

 

マリノス優勝を「必然」にした改革5年間の知られざる真実 シティ・フットボール・グループ利重孝夫の独白 | REAL SPORTS (リアルスポーツ) | スポーツの"リアル"を伝える (real-sports.jp)

 

 

去年度の人件費ランキングでマリノスヴィッセルに次いで2位だったので、ちょっとこのクラブに待ったをかけられるクラブ、しばらく現れないだろうなぁ、と。

 

マリノスのやってるサッカー自体が強いのかどうかは分かりかねますが、その「理想の(やりたい)サッカー」を叶える「情報」があり、そして「お金」もある、【戦略】的に強いのにその強さを維持出来しまう。

 

マリノス、いわゆる「ハズレ」を引かないんですよね。

 

特に外国籍選手。

 

大抵のクラブが闇鍋ガチャなのに、マリノスだけSSR確定で引いてます。

 

いやー、ホント、とんでもない存在です。

 

 

私は今年の「新体制発表会」を見て川崎フロンターレこそが「Jリーグの理念に則った理想のクラブ」と思いましたが、マリノスは「情報」を手にして「その先へ行ったクラブ」になっちゃったな、と。

 

川崎、「情報」が弱いんですよね。

 

マリノスの「必要な選手をピンポイントで」が滅法苦手に思えまして。

 

なんか「サイドアタッカー想定で獲得した選手、全員IHじゃね?」な感じです。

 

 

各クラブが「Jリーグの理想」に邁進してる限りはマリノスに置いて行かれ続けるとみてますが、各クラブ間違いなくこういった状況を認識してるはずなので、この辺の凌ぎ合いせめぎ合い、どうなっていくでしょうね。

 

 

 

 

そんなわけで、クラブが取れる【戦略】の内、最重要なものは「相手よりも質の高い選手を揃える」ことで、そのために「内政」「外交」「情報」を充実させましょうね。

 

近年では「情報」でアドバンテージを得たマリノスがヤバいよね、という話でした。

 

 

 

 

さて、次は【試合】における【戦術】についてです。

 

 

・【試合に勝つための工夫】 → 【戦術】 (中位)

 

 

ですが、実際のところ【戦術】は

 

 

-「正攻法」と「奇策」

 

 

しかありません。

 

 

・「正攻法」 → 「”質”でシバく」

 

・「奇策」 → 「それ以外」

 

 

の2種類。

 

 

しかし、この2つを混ぜ合わせることでいく通りもの【戦術】が生まれる。

 

この世にはこういった「サッカー」における【戦術】を解説した媒体が星の数ほどありますが、それがその証左かと。

 

そして【戦術】の基本的な考え方として

 

 

-「自分たちの強いところ(時)を(に)相手の弱いところ(時)にぶつける」

 

 

が原点になります。

 

 

平たく言うと「相手の弱点を攻めろ」でしょうか。

 

 

これが出来ればかつてルルーシュが言ったように「戦略が戦術に潰されてたまるものか!」な状況を生み出す可能性が見出せます。

 

 

【戦略】は【戦術】の「上位概念」で、「サッカー」において「相手よりも質の高い選手を揃える」という優位が取れれば基本相手に負けることは無いんですけども、これが覆ることだって度々あるわけです。

 

「強さには幅がある」わけで、いついかなる時も「優位」を確保出来るわけではありません。

 

兵士(選手)のコンディション管理を怠ったり、質で優位を取れていても運用を誤ると「強さ」は下に振れてしまいます。

 

例え試合前には戦力的に質で劣っていたとしても、相手の下に振れている場所(時)さえ突けば勝つチャンスはあるわけです。

 

なので、開幕前に他のクラブの戦力と比較して戦力的に劣っているからと言って、それが【リーグ】での「勝ち」を諦める理由にはなりませんし、逆に優れている方も隙を見せたら喰われるので油断してはならないのです。

 

しかし本当に優れた強いチーム(軍隊)は隙を見せません。

 

黒田ゼルビアのように「質的優位」をしっかり確保して万全の【戦略】を取りながらも隙を見せない【戦術】で戦って来るチームがあるわけで。

 

 

本質的に優れた【戦略】を取って来る相手は優れた【戦術】を準備して来るので、やはり中々「戦術が戦略を上回ることは無い」と認識しておいた方が良いでしょう。

 

基本【戦争】は「勝つべくして勝つ」べきものです。

 

その状況を作り出すには何よりも「準備」が大事です。

 

なにかの偶然的な奇跡的ななにかのアレで一時【試合】に勝ったとしても【リーグ】で勝てるわけでは無いのです。

 

【戦略】と【戦術】はセットですし、「正攻法」と「奇策」もセット。

 

優先順位はありますが、どちらも重要で両方とも大きくしていく(広げていく)ことが肝要です。

 

 

 

 

【戦争】では

 

 

-【戦闘】に勝って【戦争】に負けた。

 

 

なんて状況が生まれますが、「サッカー」にも

 

 

-【試合】に勝って【リーグ】に負けた。

 

 

という状況が生まれます。

 

 

一時の【試合】に勝つためにコンディションの怪しい選手を起用し、その【試合】で大怪我を負ったらば、その選手(戦力)は下手をしたらシーズンいっぱい起用出来なくなるなんてことがあるわけです。

 

だからこそ指揮官(監督)はものすごく重要な存在なのです。

 

 

-与えられた戦力を下振れさせることなくチームにし、【試合】に勝ちに行く。

 

 

これが指揮官に求められる能力だと思いますが、目的としては【リーグ】で勝つことなので、状況によっては目の前の【試合】を捨てても構わないのです。

 

そういった点で、先日エスナイデルは「勝てない」と判断したら「負けない」にシフトしたので非常に優れた指揮官だと私はみてます。

 

この辺もいずれ記事にしたいです。

 

 

 

 

【戦術】は【戦略】の「下位概念」とは言え、それでも【戦略】を覆すことはあります。

 

「正攻法」と「奇策」を駆使し、戦力を下振れさせないどころか出力(と火力)を上げるような運用が出来る優秀な指揮官を招聘するなど、条件さえ整えば【戦略】的劣勢を覆す力が【戦術】にはあると言えると思います。

 

しかし、本当に【戦略】に優れた相手は「強さの幅」に隙を見せないので、本質的にはやはり【戦術】には限界がりますよね、って話でした。

 

後、歴史的に【戦術】に優れて天下を取っても統治が上手くいかないケースが多いらしいので、一時【リーグ】で勝ててもそれはちゃんと【戦略】として勝てているか、というジャッジはし続ける必要がありそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、次は最後の【1対1】における【技術】についてです。

 

 

これに関しては先述の通り、「下位概念」でありここでの勝敗は基本些事です。

 

仮に松本大輔がウタカにブチ抜かれたからと言ってそれが【リーグ】に及ぼす影響はそれほどありません。

 

負け続ける、となると話は変わりますが、その場合はむしろ【技術】というより、そういう選手を戦力としてしまう【戦略】や【戦術】の問題と言えるかな、と。

 

そしてなにより

 

 

-【技術】は伝播されやすい

 

 

という性質を持ってまして。

 

 

かつては 銃 対 槍 でアドバンテージを得ていたとしても、すぐに相手にも銃を用意されるものです。

 

 

「サッカー」においてもやり方次第で【1対1】を回避することも可能なので、軽視すべきではありませんが、そこまで重要視すべきものでもないのかな、と。

 

 

しかし、【戦争】においてもそうですが、とんでもない【技術】がこの世にはあります。

 

それが

 

 

核兵器

 

 

です。

 

 

この【技術】は「上位概念」である【戦略】【戦術】を破壊します。

 

「核」を使われたら【戦略】も【戦術】もあったもんじゃありません。

 

全てを灰にする【技術】の前では工夫もクソも無いのです。

 

 

 

 

不穏な話をしてしまいましたが、「サッカー」の話に戻ります。

 

「サッカー」において【1対1】は見方によりますが「下位概念」であり、軽視すべきではありませんが重要視すべきものではないと思っています。

 

が、「サッカー」界においても【戦略】【戦術】を破壊し得る「核兵器」みたいな【技術】を持つ選手はいるわけで。

 

古くはペレやマラドーナ、最近ですとムバッペ(この人の正確な日本語表記名が分かりません)やハーランドが該当するでしょうか。

 

相手の【戦略】【戦術】を破壊し、こちらの【戦略】【戦術】になり得る【技術】を持つ選手。

 

 

こういった選手(戦力)を保有する、という【戦略】的観点と、その選手に活躍しやすい場を与える、という【戦術】的観点で見ると【技術】は下位とはいえ非常に大切な概念だと思います。

 

名塚監督のように「そういう選手になれ!」というような【戦略・戦術・技術】のどの観点から見てもピンと来ない運用から【技術】を見るとおかしくなる、という感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

以上で終わります。

 

このテーマに関しては奥が深すぎまして。

 

まだまだ私も勉強中です。

 

今後要所要所で補完(?)というか補足(?)というより派生(?)のような関連の記事を書いていけたらと思っています。

 

またどこかのタイミングで私のブログを見かけたらその際はよろしくお願いします。