「飢えた子供」に必要なのは「パン」か「本」か?という話。

自戒を込めた記事です。

 

 

物事や出来事は一つの視点からではなく、複数の視点を持ち、多くの評価軸で検証してみることが肝要だと、私は思っています。

 

 

しかし、人間は

 

 

-「見たいものを見たいようにしか見ない生き物」

 

 

でもありまして。

 

 

自らの「理想」というフィルターを通して物事や出来事を見、判断する本能には中々抗えないものです。

 

 

 

 

こう、思っていましたし、分かっているつもりではいたので、世の中様々な人たちが発する意見や見解に対してそこまで目くじらを立てる必要はないわけですが。

 

 

先日放送されたロクダスを視聴し、久しぶりに腹が立ちました。

 

 

別に誰がどのような意見・見解を述べても構いませんし、勝手に視聴した私がその意見・見解に腹を立てるのは見当違い甚だしく、その資格もありはしません。

 

が、どうにも腹の虫がおさまらない。

 

物事や出来事を一つの視点からでしか評価せず、危機感や不安を煽るその姿勢は度し難いです。

 

 

 

 

まぁ、ロクダスというのは居酒屋でくっちゃべる感覚でトークを展開する場でもあるようですし、楽しくガス抜きしてるおじさんたちの間に割って入ってどうのこうの言うのはあまりにも無粋なんですがね。

 

無駄に声がでかく中身のかけらも無い議論を居酒屋の端っこで聞いて舌打ちをするかのような、格好悪いことこの上ない無様な姿を晒すことを承知で、今回は自論を書かせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロクダスメンバーたちと私とで見解に相違がみられたのは大きく分けて以下の2点↓

 

 

1、「後任監督が決まってない中での監督・GM退任」に関しての見解。

 

2、「10年後、20年後も続くブレないビジョン・軸・志を求める」という意見。

 

 

一つずつ反論申し上げていきます。

 

 

 

 

まず、1、「後任監督が決まってない中での監督・GM退任」に関しての見解。

 

 

ロクダスメンバーは異口同音しきりにこの決断に対して危機感や不安を述べていました。

 

やれ「前代未聞」だのやれ「バタついてる」だの。

 

 

-そんなん当たり前でしょ?

 

 

っていう。

 

 

この決断を「点」でしか評価しないからズレてるんですよ。

 

「線」で見ないといかなる見解も意味を成しません。

 

 

 

 

レノファは「名塚監督・石原GM退任」以降、後任探しに時間が掛かっています。

 

この時間を「点」で評価するから危機感や不安しか口に出せないんです。

 

視点はもっと前に置かなければなりません。

 

 

-今シーズン、「石原・名塚体制」が続けばレノファは「降格筆頭候補」だった

 

 

この事実を脇に置いて不毛な議論を展開しても意味がありません。

 

 

-「石原・名塚体制」に上がり目、ありましたか?

 

 

名塚監督は7試合勝ちが無い中でも「やり続けるしかない」と終戦宣言を発していました。

 

事実上「ピッチに立つ11人の選手が全員日本代表クラス」でないと成立しない「形」を継続すると言ったんです。

 

勝ちがない中で「現実(出来る)」を最大化させて勝ち点をもぎ取るタフな闘いを拒否し、「理想(やりたい)」に散ろうとしてたんですよ。

 

理想主義者たちが「レノファ山口FC」を「理想(やりたい)」の名の下に散る(降格)、その道連れにしようとしてたわけで。

 

 

-その流れにストップを掛けたのが今回の決断

 

 

私はこうみてます。

 

 

「小山・渡部体制」の強みは「(決断の)スピード感」だと私は認識してます。

 

即断即決。

 

流行り廃りが急激に変わる今の世の中において「準備万端」は非常にハードルが高いです。(それを達成したのが今年の町田。今年の町田の飛躍は「戦略勝ち」とみてます)

 

野球界においては年々平均球速が上がり、その対応に現場が四苦八苦していますし、サッカー界においては「ボールを持たないチーム」が成果を上げ始めてきました。

 

 

-ほんの数年前の常識が、今では非常識に変わる

 

 

この事実を受け入れないと、評価軸はずっとズレたまま、待っているのは死(消滅)です。

 

 

 

 

PDCAサイクル」の考え方は激変する業界には不向きな取り組みです。

 

間に合わないんです。

 

吟味する時間が足りない。

 

だから「やる、やってから、考える」。

 

このスピード感に着目して慣れておくべきだと、私は考えます。

 

 

-小山会長、早いでしょ?

 

 

社長に就任されてすぐに「レノファ会議」を開催しましたし、今年で言うと「RENOFANISTA」もすぐに始めました。

 

「準備万端」は難しいんです。

 

 

-取り敢えず、やる、やってから、考える。

 

 

後任監督に目途が立っていない中で「監督・GM退任」なんて、そりゃ、クラブ(フロント)としてもやりたくなかったに決まってるじゃないですか。

 

でも、やった。

 

 

-そうせざるを得なかった

 

 

ほど、「石原・名塚体制」への評価は地に落ちていた、という視点を入れてほしいとこです。

 

 

「現実(出来る)」を最大化させて勝ち点をもぎ取るタフな闘いを拒否し、「J3降格」をも許容する方向で「理想(やりたい)」に散ろうとしていた「石原・名塚体制」を、「小山・渡部体制」は許さなかった。

 

後任監督に目途が立っていないにもかかわらず、この決断。

 

その「スピード感」を、まず評価してほしいです。

 

そして

 

 

-「チームは新たな体制を構築し、少しでも多くの勝利、1つでも上の順位を目指して戦ってまいります。

 

 

「石原GM・名塚監督退任のお知らせ」の際に小山会長が残したこのコメント。

 

 

「理想(やりたい)」に散らず、「勝利を追求する」タフに闘うことを決意したこと。

 

「後任監督が決まってない」なんて、そんなものは枝葉です。

 

そんな枝葉のような(ポジティブな決断・決意の)副産物にだけフォーカスして危機感や不安をわめく意味が、私には理解できません。

 

 

-「理想(やりたい)」に散ろうとしていた「石原・名塚体制」を即断即決で終わらせた

 

 

現状を維持すれば間違いなく降格だった「レノファ山口FC」が、足掻いてもがくタフな道を選んだんですよ。

 

「理想(やりたい)」に散らず、「勝利を追求する」という非常にポジティブな方向転換はしかし、茨の道です。

 

その茨の道を進むことを決断した「レノファ山口FC」に、危機感や不安をでかい声でぶつける思考・行動、本当に理解できません。

 

 

Twitterで「レノファ会議」の様子がアップされていたので拝見しましたが、レノファは「我が子を育てるように」扱ってくれることを望んでいます。

 

その考えの是非は今は置いておいて、レノファを「我が子」として扱うならば、茨の道を進むタフな決断をした「我が子」に対するリアクション、それで合ってますか?と。

 

私は見守りたいですし、後押しをしたい。

 

少なくとも足を引っ張りたくはないですね。

 

毒親」という言葉が誕生して久しいですが、この言葉が頭をよぎりました。

 

 

 

 

本来、「後任監督が決まっていない」今の時間(期間)、レノファはポジティブな空気に包まれる。

 

そう、思っていました。

 

「現状を維持したら降格、どうせなら足掻いてほしいな」という状況にあって、レノファ(フロント)は動く(足掻く)決断をした。

 

ここから見るべきなのに枝葉でしかない問題に対して危機感や不安を声高に口にしているのを目にして腹が立ちましたし、心から残念でした。

 

まして、ロクダスメンバーはほぼレノファ関係者(元、も含めて)、というところが無念の極み。

 

レノファ山口FC」の身近には「毒親」しか見受けられず、フロント陣に求められるタフさの量に歯がゆい想いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

一つ目、以上です。

 

お次、2、「10年後、20年後も続くブレないビジョン・軸・志を求める」という意見。

 

 

ロクダスメンバーのうちの一人が「J3に降格してでも貫くモノが無い(見えない)」というようなことを意見を口にしていましたが。

 

 

これ、最悪です。

 

 

「理想」で身を亡ぼす典型的な考え方で、危うい思考と思っています。

 

 

-その「理想」の果ては「死(消滅)」。

 

 

例えばですが、「J3に降格してでも」の次は?

 

「JFLに降格してでも」の次は?

 

地域リーグに降格してでも」の次は?

 

次は?次は?次は?の果て。

 

 

-「死んでも(消滅してでも)」

 

 

ここが終着駅です。

 

 

一度でも「J3に降格してでも」で降格したら、もう止まらない、いや、止まれなくなる、とみてます。

 

「J2残留(居続ける)」という生存戦略を捨て、「理想」に散り降格したらば「降格してでも叶えたかった理想」に変化し、それが「呪縛」になって方向転換が容易ではなくなります。

 

 

今のレノファがその流れに乗らず、断ち切った点、心からホッとしてます。

 

 

まず、ここをハッキリさせたかったのでこの話からさせていただきました。

 

 

 

 

さて、「10年後、20年後も続くブレないビジョン・軸・志」という言葉。

 

非常に美しい言葉です。

 

口に出したら思わず酔ってしまいそうなほど、キレイな言葉です。

 

しかし

 

 

-綺麗な花には棘がある

 

 

そんなものです。

 

 

現在、レノファはJ2リーグにあって、21位、と降格圏に沈んでいます。

 

レノファ、飢えてます。

 

 

-「飢えた子供」(レノファ)に必要なのは「パン」(勝ち点)か「本」(ビジョン)か?

 

 

「我が子」(レノファ)が飢えているにもかかわらず「本」(「理想(やりたい)」)を与え続けた「毒親」(「石原・名塚体制」)を「小山・渡部体制」は変える決断をしました。

 

その姿を見ていた我々が「飢えた子供」(レノファ)に与えられるものとして、「パン」(勝ち点)と「本」(ビジョン)のどちらを望みますか?

 

 

-・・・もう、食べさせてあげません?

 

 

「我が子」がお腹空かせてるんですから、食べさせてあげましょうよ。

 

 

そもそも。

 

 

-いつから「我が子」に「本」を必要と出来るほど、ウチは裕福になったのでしょうか?

 

 

「10年後、20年後」を見据える余裕、ありましたっけ?

 

腹が満ちてるから人は(組織は)将来を考えることができるんですよ。

 

レノファは毎年主力を引き抜かれてます。

 

沼田、田中、橋本、去年ド主力だった選手たち、今年いません。

 

主力の選手たちを引き留め続ける力(魅力とか)が現状ない以上、レノファは「1年、1年が勝負」の「明日食うのにも困ってる状態」なのではないでしょうか。

 

 

そんな状態にあって、ロクダスメンバーの意見は「10年後、20年後」だそうで。

 

 

「飢えた子供」(レノファ)に「本」(「理想(やりたい)」)を与え続けた「毒親」(「石原・名塚体制」)は退任しました(させました)。

 

にもかかわらず、その後を引き継いだ中山監督も言葉では「パン」(勝ち点)を与えると言いながら、実際には「本」(「理想(やりたい)」)を与えています。

 

だから私は現現場のコーチ陣は環境・状況が読めていないし、(現場の)新体制発表後は速やかに一掃すべき、と主張してました。

 

 

この環境・状況が読めていないのは現現場だけではなかったようです。

 

 

元、も含めたレノファ関係者ですら、未だに「飢えた子供」に「パン」を与えようとしない。

 

「本」を与えたがるし、求めたがる。

 

現場が現場なら周りも周りだな、と。

 

 

-いいかげん、目を覚ませ、見ろ、直視しろ

 

 

と、言いたい。

 

 

「我が子」は腹を空かせてる。

 

「理想」しか見ないお花畑から帰って来て、「我が子」を見ろ、と。

 

いつからウチは未来を見据えられるほど裕福になったのか。

 

貧乏人が富者のマネ事をすることほど滑稽で悲惨なことはない。

 

「10年後、20年後」なんて、富者の考えです。

 

まして、先ほど取り上げたように、激変するこの時代に「10年後、20年後」を見据える意味、全く無いです。

 

 

レノファは規模が小さいからこそ、その小回りで時代に適応していくしか、今のところ生き残る術がありません。

 

この生存戦略を無視したから、今、21位、降格圏です。

 

「本」ばかり与え続けられたレノファの末路。

 

それが、今、なんですよ。

 

 

にもかかわらず、それでもなお「本」の必要性を説く、その愚かさを少しは自覚していただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

二つ目、以上です。

 

本当はこんなこと書きたくなかったです。

 

こんな私にも最近ちょっとやりたいことができまして。

 

本来はそれをこのブログで実現していこうと思ってました。

 

が、あまりにも目に余る、腹に据えかねる意見・見解を目にしてしまったので止まれなくなってしまい。

 

 

複数の視点を持ち、多くの評価軸を持つ。

 

私自身が内包している激情に振り回されない。

 

 

自戒すべき点がまだまだまだまだ多いです。

 

未熟、極まりない。

 

 

ロクダスを愛してらっしゃる方には非常に不快な内容になってしまい、その点は申し訳なく思います。

 

批判や煽りは避けながらやっていこうとも思い始めていただけに・・・。

 

 

次回以降、気を付けてやってまいります。