どこまで先を見据えるか。

J2リーグ 第31節 VS ヴェルディ東京戦。

ようやくレノファが東京に来てくれました。
いやー、待ちわびてました。
台風15号の影響でキックオフの時間が19時から16時に変わっており、危うく現地観戦を逃すところでしたが、無事気付いて観戦出来てよかったです。
味の素フィールド西が丘というスタジアムには初めて行ったのですが、観客席がピッチに異常に近く、選手の皆さんの声が聞こえてきたりととても素晴らしいところでした。(ファンの皆さんの野次もとてもおもしろかったです)
味の素スタジアムラグビーW杯の影響で使えないからこの味の素フィールドになったようですが、今後もぜひ機会があればこの味の素フィールド西が丘で試合を観たいものです。


さて、結果ですが


4-0 で大爆敗!


でしたね。


現地観戦した後、家に帰ってダゾーンでもう一度この試合を見ました。
4-0で敗けた試合を見返すのはかなり苦行でしたが、おかげでレノファが抱えている課題を私なりに整理できました。
なので、今回は私が思うレノファの課題を書いていきたいと思います。


ここ最近のレノファは4-3-3でスタートし、前半に2失点し、後半に2失点し、追い付くためにシステムを3-3-2-2(3-1-4-2)に変更して猛攻するも無得点。

こういった試合が続いています。

このヴェルディ戦を見るまでは、このテンプレのような敗戦に違和感しかありませんでした。

なぜ毎回のように失点し、得点も出来ない4-3-3でスタートするのか。
猛攻出来ていた3-3-2-2でスタートすればいいじゃないかと。そう思っていました。

よく分からない4バックへのこだわりで、一体何試合落としたのか。
現状のレノファのメンバーなら3バックが現実的で、4バックは理想の追求になってしまう。
プロのクラブがなぜ勝ちにいかず、理想を追ってしまうのか。

レノファは今シーズン4-3-3で開幕し、3-4-2-1を経て、再び4-3-3に戻しました。
開幕の頃に比べ、格段に良くなった3-4-2-1を何故捨てたのか。

このモヤモヤがずっとあったのですが、ようやく整理できました。



私は「レノファの3バックには限界がある」のだと思います。


これは、今は通用するかもしれませんが、レノファのもっと先の戦い、それこそJ1で戦うことを想定すれば限界があるということです。

選手個々人の技術に関してではなく、戦い方の話です。


現状、レノファの最も得点の期待値が高い攻撃はクロスです。

片方のサイドでボールを回し、相手が寄ってきたところで三幸くんに渡し、逆サイドのフリーの選手に展開し、その選手からクロスという形です。

実際レノファの得点のほとんどはこういった形からです。


ですが、これを続けていてはレノファの選手たちの根本的な課題がクリアできません。

その根本的な課題は「動き出しの質、量が悪い」ことです。

出し手のパス、クロスを出せるタイミングで効果的なスペースへ走り込める動き出しの質。
そもそもその動き出しの回数、そして動き出す人数という量。

今シーズン、レノファはかなりの課題を克服してきたと思います。
まだまだ足りないと言えばそうだと思いますが、突っ込みがちだったディフェンスは粘れるようになりましたし、誰が誰にプレスに行くのかなど、開幕戦のクオリティーを思えば大部分を大幅に改善してきています。

が、唯一全く改善の兆しが見えないのがこの「動き出し」の部分です。
「ポジショニング」に関しても同じように言えるかもしれません。


フリーとなった選手からのクロスで、とにかくゴール前に人を集めて競らせてそのまま入ればよし、よしんばこぼれ球を蹴り込めればよし。


こういうサッカーですと、前線にでかくて強い選手を乱獲するのが正解になってしまいます。
仮にJ2で通用しても、ではJ1で通用するでしょうか。では海外のフィジカルの強い選手たちが大勢いるクラブにはどうでしょうか。
今は逆サイドをフリーにしてくれていますが、より上のカテゴリーのチームはフリーにしてくれるでしょうか。
マークされたとして、その選手を抜けるようなクオリティーの高い選手が、そんなレノファに魅力を感じて来てくれるのでしょうか。


私としてはパワフルなサッカーも好きなのですが、これは選択の話になるのかなと思います。

レノファ山口FCは大きな選手たちを獲得して、その選手たちにクロスを放り込むというようなサッカーを選択しなかったということだと思います。

きちんとスペース管理でき、攻守に最適な走り込みを出来る選手を獲得、あるいはそういう選手に育てていく、これがレノファの選択の答えなのだと。


なので、目先の一勝を得るためにサッカーをするならば3-4-2-1だったのでしょう。

「プロなら目先の勝利を目指すべき」という思いももちろんあります。
ですが、「数年後のチームのために土台を作る」ということも充分理解できる考え方です。

誰がどう見ても3バックの方が勝てる確率が高いのに、4-3-3にこだわるのはより上の戦いに望むため。
「今を見るか、未来を見るか」のバランスは本当に難しいものです。
ですが、チームが未来を見た以上、それを応援したいです。

攻撃以外のところでは本当に改善されてきています。
「あともう少し」というところまで来れています。

勝てない期間、見ている側以上にチームに携わる皆さんが苦しいと思います。

バネ理論ではないですが、苦しい時期があればあるほど大きく反動して飛躍できると信じています。


チームの試行錯誤を飛躍を信じながら応援させていただきます。
これからもがんばってください。