なぜ強みを放棄するんでしょうか。

J2リーグ 第30節 VS ファジアーノ岡山戦。

1-2 で敗けてしまいましたね。


「今日は最後の最後まで選手たちは戦ってくれましたし、2-2に追いつける、あるいは3-2にひっくり返すようにしなければいけないと思います。まだまだいろいろなものが足りなくて、失点の仕方、失点の時間帯、得点したあとの2点目を追いかける気迫もそうですし、球際もそうですし、まだまだクオリティーが足りないと思います。練習を続けなければいけない。決めきれるようなシュートの技術、クロスの技術、ヘディングの技術。いろいろな技術のクオリティーを上げる努力を僕らはしなければならないと思います。」


試合後のインタビューで霜田監督がこう言ったように、現状選手のクオリティーが足りていないようです。

気迫もシュートもクロスもヘディングもいろいろな技術もって、それサッカー選手として全部じゃんって思いますが、これ練習でどうにかなるものなんでしょうか?

現状の、そのクオリティーが足りていないらしい選手たちを率いて工夫を持って戦い、いかに勝利していくかのシーズンになるのかなと思っていたのですが、どうやら戦い方の工夫ではなく、選手の質を上げるために工夫していくようです。


いつからレノファはサッカー練習クラブになってしまったのですかね?


クオリティーの足りない選手たちを安く雇って、質を上げるために練習させて、質勝負で試合に敗けて、敗けたらまた質を上げるために練習する。

この繰り返しはプロのクラブではないですよ。

敗けてもトライ&エラーが出来れば収穫はあるユースなら分かります。
ですが、レノファ山口はプロのサッカークラブじゃないですか。
色々な価値観があり、あくまでも個人的な考えですが、プロは勝ってなんぼだと思うのです。
なので、クオリティーで敗けているのになぜクオリティーの土俵で戦おうとするのかが全くわかりません。
前回の試合では経験値が相手より劣っているのに経験値の土俵で戦って敗けました。


なぜ毎試合相手より劣っている土俵で戦うのでしょうか?


勝つための工夫が選手たちの成長待ちってチームとしてどうなんでしょうかね。
そりゃ選手たちが成長してくれるに越したことはないですよ。
ですが、いずれJ1リーグのチームに通用するくらいのクオリティーに選手たちが到達したとして、果たしてその選手たちがレノファ山口に残り続けてくれるんでしょうか?そしてレノファはその選手たちを雇い続けられるんでしょうかね?

「選手が成長するまで敗ける試合の方が多いです。」
「成長した選手はほとんど移籍します。」
「ですがまた新人選手を雇います。」
「また成長させますのでお待ちを」

なんてお客さんに通用するんですか?

するわけないじゃないですか。

誰が敗ける確率の高い試合を好んで観に行くんですか。
しかも我慢して起用してた選手は成長したら移籍する。

そんなクラブに誰が愛着を持つんですか。




私は今のレノファ山口はアプローチを間違えていると思います。

よほど特殊な事情が無い限り、応援するクラブには勝ってほしいのです。

レノファが潤沢な資金を持って良い選手を獲得、保有し続けることが難しいのはよくわかっています。
予算が少ないなら少ないなりの編成になっているのも充分理解しています。

その上で応援させてもらっているのです。

故郷の山口県にサッカークラブがあることに、応援出来ることに感謝しかありません。

そんな愛着あるチームがサッカー練習クラブなんかになってほしくないのです。
勝負にこだわるプロの集団でいてほしいのです。

クオリティーで勝負をしている内は勝てません。

サッカー選手として全体のクオリティーでは劣っているかもしれませんが、部分的にみれば優れているところもあります。

菊地くんの競り合いの強さ、楠本くんのサイドチェンジ、前くんのオーバーラップ、石田くんの運動量、三幸くんの展開力、パウロのボール1つ分交わせるドリブル、山下くんのシュートの上手さや守備をサボらない献身性、工藤くんのボールを納める力と動き出しの良さ。

上げればどの選手も切りがありません。

こういった良さのある選手たちを無理やり型にはめて成長させるのは遠回りであり、時期尚早です。

まず、自分たちの強みを存分に発揮できるシステムや組み合わせで戦い、必要になったらそれらを変えて戦えばいいではありませんか。

今までの試合を観ていても、4-3-3で選手たちが気持ちよくプレーしている雰囲気を感じたことがありません。
まして、このシステムで挑む前半は必ず無得点、1・2失点しています。

レノファは3バックだろうが、4バックだろうが失点しています。
失点はしないに越したことはありませんが、ある程度は割り切れます。

変な書き方ですが、失点は承知の上で攻め込んでほしいのです。

レノファはJFL時代から攻撃のチームでした。

失点のガッカリ感を上回る得点の喜びやワクワク感を提供してくれていたチームでした。
そのドキドキやハラハラ感はレノファの醍醐味であり、チームカラーだと思うのです。

なので、勝つために攻める。
攻めて攻めて守る回数を減らす。
失点しても何度でも攻撃に転じる。
守りきれないレノファにとって攻める方が勝つ確率が高くなると思うのです。

今の4-3-3では3-4-2-1の時と比べて明らかにシュートまで行けていません。
シュートのクオリティーが低いなら、何度でもチャンスを作り、打ちまくらなければなりません。
シュートが入るかどうかは実力もありますが、運の要素もあります。
キチンと守れていても理不尽な形でのゴールというのは存在します。
逆に完璧に崩してシュートを打ってもGKのスーパーセーブにあったりします。
大事なことはシュートチャンスを増やすこと。そして打ちきること。

この流れを生めるだけのクオリティーをレノファの選手たちは持っています。

なので、選手を理想に当てはめて率いることなく、現状のメンバーの実力でシュートチャンスを増やせるシステムにしてほしいです。


岡山戦では後半途中から4-4-2に変更してからシュートチャンスが格段に増えました。
相手がリードしており引いて守り始めたとはいえ、かなりワクワクする素晴らしい攻撃を見せてくれました。

ぜひ、前半からこういった攻撃が見たかったです。



選手が成長してくれれば通用するという理想のシステムを止めて、勝つために現実的なシステムで戦ってくれることを願ってます。