【第26節 away ザスパクサツ群馬戦】 チーム作りって難しいですね

台風の影響で25節金沢戦は延期となり、およそ2週間ぶりの試合となった今節。

 

前回の岡山戦は見るのもうんざりするほど無謀なロングボールの多用でシュートに行ける機会が激減し、シーズン後半戦に向けての課題であった「得点」からむしろ遠ざかってしまったというような内容でした。

 

 

 

レノファがボールを握った際の優先順位は 

 

1、相手の背後を取った選手

 

2、1の結果空いたスペース

 

で、岡山戦では1を意識しすぎたためクソロングボールの多用になってしまったのではないかと前回の記事で分析のようなものをしました。

 

なので2週間振りとなる今節では、この1、2をどれだけ整理出来たか、選手間同士でどれだけ意思疎通を図れたかに注目してました。

 

 

で、結果は 0ー3 で大敗、と。

 

いつものように結果はどうでもいいんすよ。

 

問題は内容。

 

”クソみたいなところもあれば素晴らしいところもあった”

 

というのが私の感想です。

 

 

まず注目していた1、2の部分ですが、これに関してはもう神様、仏様、島屋様にしかならんですね。

 

自陣深くでビルドアップを始める時が顕著なんですが、シャドーの選手で効果的に降りて来られるのが島屋しかいないんですよね。

 

島屋が全て!とまでは思いませんが、やはりこの選手がピッチに立ってるかどうかでチームのクオリティに影響が出まくるのでなるべくスタメン起用してほしいですね。

 

シーズン後半戦が始まってからやたらヘナンのパスの精度が落ちてますが、これ、島屋不在のせいじゃね?ってちょっと思ってます。

 

 

 

 

ということで個人的に注目してた部分に関しては「島屋次第」で片づけられるので、感想の「クソと感じた点」と「素晴らしいと感じた点」と最後にちょっとした雑感のようなものを書いて終わりたいと思います。

 

 

 

 

まず「クソと感じた点」。

 

”前プレス”ですね。

 

いままでは

 

”5ー2ー3” → ”5ー3ー2” → ”5ー4ー1”

 

のプレスからのブロック作りで事故的なもの以外の失点を防げてたんですが、これが今節消えました。

 

シャドーに高井さん、池上、ワントップ大槻の組み合わせという「大槻さんのベストな配置を探してます」と言わんばかりのスタメンだったわけですが、タブーを犯してしまいましたね。

 

高井さん、池上のシャドーで前プレスは無理やで。

 

この2人は相手のパスコースを切りながらプレスを掛けたり、抑えるべきところを心得た前線守備や、サイドにボールを誘発する守備が出来ないんですよ。

 

レノファが”3ー4ー2ー1”で上手く行き出したのは前線の高井さん、池上に複雑なプレスを要求しなくなったからだと思うんですよね。

 

基本的には同数で相手の3バックを抑えに行くだけ。

 

あとはウイングバックボランチ、最後のところで3バックががんばる、と。

 

簡単な前からのプレスですが、これが非常に大事だったわけで、後ろからすればある程度前線がプレスしてくれた方が守備の予測が立てやすかったと思うんですよね。

 

ところが先ほども書いたように今節では”5-2-3”のプレスが消え、高井さんと池上が相手のボランチを抑えるという”5-2-2-1”気味の謎な陣形になってたわけです。

 

群馬からすればディフェンスラインで自由にボール持てるわサイドバックもフリーだわっていうパラダイス状態になってましたね。

 

この試合見ながら「群馬ってこんなに上手かったっけ?」って錯覚するぐらいには好き放題やられちゃいました。

 

前半の終わり頃にはシャドーの2人が相手の左右のCBにプレスを掛けに行ってましたが、まぁ、時すでにおそし、と。

 

 

レノファが「得点」という課題に取り組めるようになったのは、まず前提として”ある程度守れる算段がついた”からだと思うんですよ。

 

 

で、その「得点」という課題に対して渡邉監督曰く「ピンポイントで狙った」と言われる大槻獲得という手を打って試合で使ってるんだと思うんですね。

 

シャドーで使ったり、ワントップで使ったり、色々試してます。

 

が、その結果前提にあった”ある程度守れる”が崩れちゃったように見えました。

 

あの渡邉監督に「ピンポイントで狙った」と言わしめた大槻ですから今後も起用されるとは思いますが、使い方に関しては考えなければならないですね。

 

”ある程度守れる”からこそ攻撃に行けるわけで。

 

「失点にフォーカスしない」とか言い始めたら去年の二の舞ですから。

 

なので”守備的な方向に舵を切る”ではなく”大槻をチームに組み込んだ状態でもある程度守れる”というチームとしての最低条件をクリアしていってほしいですね。

 

 

とはいえ、これ、この形、見つかりますかね・・・。

 

 

大槻、高井さん、池上の同時起用ではやっぱり守れないと思うんですけども・・・。

 

守り方に関してはフォーメーションか仕組み、あるいは選手を変えないと無理筋な気がしてますが。

 

どうなりますかね。

 

ありあわせの食材でしっかり結果を残し続けた渡邉監督がこの問題をどう解決していくのか楽しみです。

 

 

 

 

次は「素晴らしいと感じた点」を書きます。

 

”チームの方向性がブレなかった点”ですね。

 

前半は割愛して、0-3で負けている状況での後半。

 

前任者なら「ディフエンダー ケズッテ フォワード イレル」というお家芸が発動している展開でしたが、渡邉監督はしっかり意思を持って選手変更をしてくれていたと思います。

 

チームに根差したい「立ち位置」という概念にのっとった采配を見せてくれました。

 

田中陸アンカー、空いてる脇のスペースに池上を降ろす。

 

2シャドーに相手のディフェンダーが喰いついたら高井さんか大槻が空くからそこに出す。

 

田中渉もレノファデビューしましたが、ボランチの位置からディフェンスラインに入っての3バック化、そこからの展開と、ポジション取り、ボールを扱う技術、素晴らしかったです。

 

他にも、まぁ、なんか色々ありましたが、チームの路線から外れない工夫を見せてくれたので見ていて楽しかったです。

 

 

他にも選手個人にフォーカスすると、ダブル陸、川井、高井さんが個人的には素晴らしかったな、と。

 

田中陸も神垣もホントにポジショニング上手いですね。

 

ボランチの位置で高すぎず、低すぎず、ディフェンダーからシャドーの選手へのパスコースを塞がないいい位置を取れてます。

 

田中はボールを持った時のクオリティにまだ改善の余地があるように見えますが、運動量や、気の利くポジショニング(ディフェンダーが上がったら下がる)も出来ますし、なにより本人もボールを持った時の課題を自覚しているようで改善に取り組んでるみたいですね。

 

なんの心配もいらないです。

 

 

神垣はついにロングボールでのサイドチェンジをしてくれるようになりましたね。

 

縦パスも果敢に入れてますし、それが決定機にもなってますので頼もしいボランチです。

 

ボールの受け方(ターンとか絶品)も素晴らしいですし、これからがホントに楽しみです。

 

 

川井は積極的に課題に取り組んでいるように見えるので、その姿勢は見ていて力をもらえます。

 

守備に関して間違えが少なくなりましたし、ボールを持った時に簡単に後ろに下げるのではなくまず前を見れるようになってきてるように感じました。

 

あとはクロスの精度だけが直近の課題ですかね。

 

とはいえいいクロスを上げてくれる頻度は上がってきてると思うので、このまま続ければとんでもないところまでいけるかもです。

 

 

高井さんに関しては得点数だけがネックですが、高井さんがやるべきことはサボらずずっとやり続けてくれるようになりましたね。

 

もちろんサガン鳥栖のFWばりに前プレスが達者な高井さんも見てみたいものですが、それは欲張りすぎでしょう。

 

現状の高井さんにやってほしいことは全てやってくれているので大満足です。

 

今後はサガン鳥栖プレスを習得するか、シュートは全て枠に飛ばすストライカーを目指していくのかは分かりませんが、個人的には後者になってほしいな~なんて思ってます。

 

 

 

 

最後に雑感を。

 

雑感というより「今後のレノファってこうなるんじゃないかな~」っていう予想、あるいは願望と言ってもいいかもしれないものを書くんですけどね。

 

 

今回の敗戦でいよいよ降格圏内が見えてきたわけですが、この現実に対して大きくチームの方向性を変えることはないと思うんですよね。

 

というか変えてほしくない。

 

選手の「立ち位置」を重視したサッカー。

 

今節のように前半で3失点してもガムシャラにFWを投入するではなく、仕組みで追いつこうとする姿勢は素直に応援したいものですし。

 

無念なのは、同じ状況で去年なら追いつかない程度には得点出来てたところなんですよね。

 

むちゃくちゃやってた時には得点出来て、ちゃんとやってる時に得点出来なかった。

 

これはもう・・・選手の質・・・やなって。

 

とはいえ結局前任者が大した指導もせず勢いや流れだけのサッカーをしていたせいもあってこんなことになったんじゃないかとも思いますが。

 

高井さんや池上が未だに前プレス出来ないんすよ?

 

おかしいって。

 

それでいうと渡邉監督も前プレス仕込めてはないんですけど「チームとしてこうしましょ」というのは示せてますし、実践もしてます。

 

確実にチームの蓄積になると思うんですよね。

 

霜田監督の2年目と渡邉監督の2年目どっちが期待できますか?っていう話。

 

構成される選手にもよりますが、1年目のベースを生かせるのは渡邉監督じゃね?ってことで、チームの進む方向性は変えないでほしいんですよね。

 

 

ということで「立ち位置」を重視したサッカーを継続するという前提で話を進めますけど、まずレノファが着手すべきは「守備」だと思うんですよ。

 

具体的には”前プレス”。

 

さすがに現代サッカーでいかなるカテゴリーであっても相手ディフェンスラインに全くプレスが掛からない状態で上位チームになるっていうのは不可能だと思うんですよ。

 

実際今節群馬戦で3失点もしちゃったわけですし。

 

レノファは”5-2”のブロックでは守れない、という現実から逆算していけば答えはそれなりに出そうです。

 

 

・・・。

 

 

うーん。

 

ぐちゃぐちゃ書く前に私が思う結論をまず書いてしまうんですが、それは「高井をスタメンから外せるか」だと思うんですよ。

 

結局守備に関しては”5-2-3”から始めるプレスをもう一度やればいいだけですし。

 

で、大槻、高井、池上でそれは出来なかったわけですから、大槻、島屋、池上でもうワントライ、と。

 

池上はキャプテンでプレースキッカー、高井よりはシャドーのディフェンスが出来るってことで、大槻ファーストで考えるなら外れるのは高井かな、と。

 

正直そこまでしてまで起用すべき特別な選手なのかい?大槻は?

って思いますが、そこは俺たちが信じる渡邉監督が信じる大槻を信じようってことでしばらくはこのトリオでやってみてほしいですね。

 

大槻、高井、池上を同時に起用して、かつ前プレスも出来てしまうような素敵なシステムでもあれば話は変わりますが、「3バック+ダブル陸」の形はレノファの強みでもあると思いますし変えたくないので、やはりシンプルに「高井外し」かな、と。

 

島屋のコンディション次第ではありますが、まじで高井を外したら大したもんだと思うんですけどね。

 

一応守備の理由でキャプテンマークも巻いたことがある佐藤謙介をスタメンから外せた監督ですし、やってくれそうではありますが。

 

 

 

 

いやー、ホントチーム作りって難しいですね。

 

今年に関しては取り敢えずたくさん選手を用意しておいて、来年以降ゆっくりと渡邉監督のやりたいサッカーに合った選手を獲得していくのかなっていう編成だと思ってますが、どうなっていくでしょうね、この辺は。