中断明け後2試合で2連敗。
課題だった「得点力不足」解消のため千葉から大槻をレンタルで獲得し即スタメンで起用してみたものの、大槻2戦連発無得点、かつチームも無得点。
あれ?
むしろチームが後退してね?
と漠然とした不安を感じながら迎えた今節。
相手は絶好調山形、と。
なにやら監督が変わって以降12戦負け無し(10勝2分け)、およそ3ヶ月くらい夢の時間を過ごして来たやべぇチームです。
こっちは「大槻の使い方マニュアル」を探してる初歩の段階なのに、向こうはゴリゴリ上位を目指してる、あるいは目指せるという両チームの立ち位置。
山形のサッカーを常時ウォッチしてないので詳しいことは分かりませんが、前評判だけを見れば勝てる要素無し。
「ホームやし引き分けることが出来れば上々」
「負けるにしても大炎上しませんように・・・」
くらいの後ろ向きな姿勢で観戦してたわけですが、結果は 2-1 で勝利。
もう一回書きますよ。
結果は 2-1 で 勝利 。
訳わからんよね。
勝てる要素も無く、試合内容も圧倒的にボコボコにされたのに結果はこれですもん。
サッカーにおける「結果」はホント運の要素でかめだなと再認識しましたよ。
まー、結果に関して言えば「関のおかげ」で終わっちゃうんで、個人的に気なったところや今後のレノファの課題ってこれじゃね?っていう内容の部分に触れてみたいと思います。
まずスタメン。
大槻がベンチでした・・・。
なんでやねん。
大槻ベンチに置いてもいいっていう選択肢あったんかい。
中断中に獲得して中断明けに即先発させたんで、てっきり大槻としばらく心中するものだと思ってたんですがね・・・。
そんなことはなかったよ、と。
これで逆になぜ2試合合流したての大槻を起用したのか分からなくなりました。
たった2試合ではありますが、大槻って見てて驚くような尖った武器があるようには見えなかったんですよね。
やたら足が速い、やたらボールを収める、競り合い絶対負けない、とか。
おそらく裏への抜け出しとか、そういうところで勝負する、レノファでいうところの岸田や浮田のようなタイプだと思うんですけども。
そういうタイプ(だと思われる)の選手、周りから使われる選手を即スタメンで起用したのは一体どういう意図だったんでしょうかねぇ。
まー、考えても分かりませんし「大槻をベンチに置いても良い」というのが分かったのはホッとしました。
あと高井さんもベンチでしたね。
「大槻起用するなら外れるのは高井さん」と予想してたんですが、大槻も高井さんも外れたのは驚きでした。
さらに驚きなのは二人ともベンチに入ったことですね。
もし仮に、万に一つにリードしてたら守りきれないじゃん、っていう。
まぁ、まさかのリード展開でこの二人が同時投入されるわけですけども。
これは見ててひどかったので後ほど触れたいと思います。
話を戻しまして。
大槻、高井さんがスタメンから外れ、選ばれたのが草野と島屋。
さらにボランチに神垣に変わって田中渉。
あとは澤井のところに石川、と。
前節群馬戦では高井さんと池上の2シャドーが相手のボランチを抑えるという謎布陣でボコボコにされたので、今節ではどれくらい”5-2-3”プレスが掛けられるかに注目していました。
前からのプレスに関して言えばめちゃめちゃ嵌っていたように見えました。
そもそもこの試合ではいつもの”3-4-2-1”ではなく、おそらく池上をトップ下に置き、草野と島屋の2トップの”3-4-1-2”だったと思います。
これ、すごく良かったですね。
前線からの守備が苦手な選手が一気に池上だけとなり、その池上もいつもの高井さんが行うプレスに役割を変更できたのでかなりスッキリした印象でした。
いつもそうなるわけではありませんが、基本的な狙いとして草野と島屋が相手2CBにプレス、相手が3バック化するなら中央を池上が捕まえる、あるいは草野と役割を入れ代わりながら、という前線守備が非常に効果的だったように思います。
山形が自陣深くでビルドアップを始めた際に、そのほとんどを山口サイドに運ばせることなく途中でカット出来てました。
これは山形がビルドアップ苦手だったのかレノファの前プレスが上手かったのか、山形サッカーに詳しくないのでいまいち判然としませんが、私の目にはレノファの前プレスが巧みだったからのように映りました。
そう、守備に関してここまでは良かったんですよ。
群馬戦からの課題である”前プレス”は島屋のスタメン復帰もあって復活しましたし質も高かった。
問題はその質の高かった前プレスを掛け続けられなかったこと。
監督が試合後「願わくばプレッシングの回数を増やせれば良かったですが、」とコメントしたように”5-4-1”ブロックの選択が早すぎたし多すぎたように感じました。
山形ってファイナルサードでのプレー上手すぎませんでした?
正直ファイナルサード以外のプレーはあまり達者なように見えなかったんですが、このエリアでのクオリティは尋常じゃなかった。
普通”5-4”ブロックってそんなに簡単には崩せないと思うんですけど、バッカンバッカン崩してきおった。
レノファは引く、山形はお得意(なんですよね、きっと)の形を続けた結果、試合の大半は山形によるレノファの虐殺でした。
いや、ほんと大げさではなく10失点してもおかしくなかった内容でした。
めちゃめちゃ有効に見えた
”5-2-3” → ”4-4-2” → ”5-4-1”
の守備だったんですがね・・・。
途中から完全に”5-4-1”一辺倒になってしまいました。
”5-2-3”プレスを回避されても池上がサイドに帰ってくるまで川井を前に出し、後ろを菊地がケアしてスライドする”4-4-2”気味の”5-4”ブロックを作るまでの時間稼ぎも多分アドリブでやったんじゃないかと思いますが見事だったんですがね。
山形が特別上手かったのもありますが、レノファは”5-4”で耐え続ける文化は持ってないので、”5-4”はあくまで最終手段、基本は前から捕まえに行くというチャレンジの方向でいってほしいですね。
キャプテンの池上が試合後に
「もっともっと入りの時間帯も強度を上げて、プレッシャーを掛けていきたいと思います。」
「始まった時からパワーを持っていけるように強度高く、もっともっとやっていきたいと思います。」
とコメントしてるので、やはり基本的には前から、”5-4”ブロックありきの考え方ではないディフェンスを構築していってくれると思うので期待してます。
なんの根拠もないただの感想なんですが、レノファってしっかり前から行けてる時は強いんですよね。
霜田監督の時はなんのデザインもなく取り敢えず前線が突っ込んで剝がされまくってましたが、今はちゃんと前から行くときは後ろがついてきてるし嵌ってるので、相手からすればかなり嫌だと思うんですよ。
”5-4”ブロックありきの守備だとボールを奪っても前に運びづらいですしね。
3バックでやってるわけですし前から行く分には後ろに人が余ってるわけで捕まえやすいと思うので、勇気ある取り組みへ挑んでほしいです。
応援してます。
最後に選手起用に関して。
この試合2-1とリードした状態で大槻と高井さんが投入されたわけですが、個人的にこの二人の使われる位置が逆じゃね?と感じました。
大槻がワントップ、高井さんが左サイド。
どう考えても守り切れる配置ではないよね、っていう。
大槻はボール収まらんし、魂削ってプレスバックするでもない。
高井さんはいつものようにサイドに配置されたらジョギングプレス。
”いるようでいない”高井さん恒例のサイドディフェンス。
もうね。
これに関しては使う側が悪いやろ、と思うんですよ。
・チーム勝ってます
・相手は格上です
・あと20分守りたいです
・味方ヘロヘロです
これだけの条件がそろってて二人ともプレス頑張らないんだもの。
もう二人のキャリア年数的にも、これから”シチュエーションに合わせたプレー”をしていくのは無理だと思いますし、そこに時間をかけるくらいなら長所を伸ばす練習に時間をかけるべきだし、そういった選手が生きる使い方をしなくてはいけないと思います。
なので今後はベンチメンバー選考にも手を加えてほしいですね。
この試合、草野が異次元のプレーを見せたので余程のことがない限り今後ずっとスタメンだと思うんですよ。
足早い、ボール収まる、体強い、点獲る、囮にもなる、って何ツールプレイヤーやねん。
苦し紛れのクリアボールを相手陣地の深い場所でレノファのスローイングにしてくれたりやばいです。
で、相方の島屋も、守備上手いしポジショニング上手いしボール運べるし、っていう。
正直この二人の変わりっていないんですよね。
ある程度何でもできちゃんだもの。
てことで役割を分割して整理し、担える部分が強みの選手をベンチに置いて欲しいんですよね。
例えば草野ほどボールを収められる選手はいませんが、相手のディフェンスラインを下げさせる役割なら高井さんも引けを取らないので高井さんベンチ。
島屋ほどボールを扱う技術はありませんが、前線からの守備で島屋並みに貢献できるであろう小松もベンチにいてほしい。
普段ベンチだった菊地や佐藤健太郎が活躍しだしているので、まだ出場チャンスに恵まれてない選手にも焦点を当ててあげてほしいですね。
高井さん、大槻は大きな意味では役割やタイプが被っている(前線守備で貢献するタイプではない)と思うのでまずここを修正してみてほしいんですが・・・。
まぁ、”前からプレス行く”という逆算から選手選考してみてほしいですね。
前提として”前プレス”。
剥がされたりしたときに”5-4”ブロックを作るスピード。
この辺りが課題で取り組むべき事案だと思いますので、どう解決していくのかを楽しみに観戦していきたいと思います。