推定ファイナルフェーズに入ったエスナイデルレノファ。結局「レノファらしさ」を体現するのは”霜田式3421”だよなぁ、について

今回も雑感記事です。

 

本来は2週間前に細かくエスナイデルレノファの取り組みを追う記事を書こうと思っていたのですが、色んな事情のエトセトラ的なアレで書けず。

 

で、今日ようやく時間取れましたのでまとめようと思ったんですが。

 

 

当時と今とで状況変わって来てまして。

 

 

もういっそのこと大雑把ではありますが、エスナイデルの監督就任から現在までの取り組みをまとめてしまおう、となりました。

 

ひょっとしたらもう一回ほど変身を残しているかもですが、現在おそらくエスナイデルレノファは試験を終えファイナルフェーズに入ったはずです。

 

このフェーズに到るまでのエスナイデルの取り組みは実に丁寧だなぁという印象でして、とても好印象なんですよ。

 

私個人の感想で恐縮ですが、ぜひここまでの流れを共有したく、まとめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

エスナイデルが監督に就任して以降使用したフォーメーションは↓

 

 

4123 → 3142 → 442(4231) → 3421

 

 

です。

 

 

4123 → 3142 の間、第28節千葉戦で442(4231)を挟んだかもという記憶もあるんですが、大まかにはこの流れで合ってるはずです。

 

 

 

 

まず、就任直後にエスナイデルが採用したのが4123。

 

前任の中山監督代行が3バックシステムにしていたのでそこから引き継ぐものと思っていただけに、この判断には驚かされました。

 

しかし、今年のレノファは「4123を意識した」と石原元GMがコメントしたように4123編成になっていました。

 

なので監督就任直後のエスナイデルが中々上手くいってなかった4123を再び採用したのは驚きではありましたが、編成の観点から見ればそりゃそうだよな、と納得できる判断でした。

 

 

名塚監督、中山監督代行の頃との比較で、プレスを整理して後ろの選手たちが準備しやすい形を作ったことで、出だしこそ退場者を出て躓きましたが、守備に関しては6試合連続無失点を記録するなど見違えるほど改善されていました。

 

 

が、とにかく得点の匂いがしない形でもありました。

 

 

ビルドアップが4141のままであり、442で簡単にハメられてましたし、どうにかこうにか前線にボールを届けてもWGが1・2枚強引に剥がさないと決定機らしい決定機を作れない難しさがあり、セットプレーくらいにしか得点を期待出来ませんでした。

 

 

 

 

そんな状況であり、改善傾向だった守備に関してもプレスがハマらなくなったり、単純にボールウォッチャーだらけで相手の何の変哲もないクロスが大ピンチになったりで積年の綻びが見え始めて攻守に限界かなぁ、のタイミングで導入されたのが3142。

 

 

ジュニオール、キムの新加入組がチームに合流して同時にスタメン起用された試合の一発目でした。(第29節大分戦)

 

 

この変更で劇的に改善されたのが攻撃。

 

フィニッシュの局面であれだけスカスカだった中央に4枚(CF・IH)選手がいるフォーメーションになったことで厚みが段違いでした。

 

WBからのクロスに対角のIHの選手が飛び込んで来たり、理想の攻撃が出来ていたと思います。

 

攻撃においてはフィニッシュだけでなくビルドアップの局面でも改善されてまして。

 

4123の頃は4141でビルドアップしてどうにもならなかったんですが、3142になって後ろで3+1を自動で作り出せてましたので非常にスムーズにボールを前進させられていました。

 

第32節甲府戦までには、3+1で足りなければIHの矢島が気を利かせて3+2の状況までも作り出していたので、4123の頃より決定機を増産できていました。

 

 

が、攻撃に関して素晴らしい成果を出せた3142ですが、守備がボロボロになりました。

 

 

3142ってプレスとブロックが難しいんですよね。

 

キムん鳥栖以外のJリーグのチームが3142を成立させられてるのを見たことが無いんですよ。

 

エスナイデルレノファの3142も、プレスにおいてボールを刈り取る位置の設定が曖昧でなんとなくボールホルダーに行きはするものの勢いも無ければハマってもいない。

 

当然剥がされたりロングキックで前進を許してしまうんですが、この時の532ブロックがまた随分とお粗末でした。

 

532ブロックの肝は3のスライドかと思うのですが、エスナイデルレノファのスライドは3も、なんなら5のスライドですら怪しかったもので。

 

IH起用された矢島は試合を重ねるごとにスライドが良くなっていったんですが、その他の選手は・・・でして。

 

 

さらに言及すると、この時私が感じていたのは「前ちゃんどうする?」という問題。

 

 

エスナイデルレノファにとって、前ちゃんは間違いなく主軸中の主軸です。

 

これは過去のエスナイデルのコメントからも伺えます。(エスナイデルは前ちゃんをバチクソ信頼してます)

 

そんなド主力の前ちゃんですが、あまりにも可哀そうな起用をされてまして。

 

本来ド主力で軸となる選手はドカッと一つのポジションに固定して周りを合う選手で埋めていきたいんですが、前ちゃんの場合は逆をやらされちゃってたんですよね。

 

これ、編成の問題で現フロント陣、エスナイデル、スタッフの誰も悪くなく、どうしようもない問題とみてましたが、本当に可哀そうでした。

 

そも今年の前ちゃんは「4123を意識した」編成において右SBで想定されてたと思うんですよ。

 

が、先述したように4123はエスナイデルですら攻守に限界を迎えて頓挫。

 

で、3142になった。

 

この時アンカー起用された謙介は非常にパフォーマンスが良く、加えて中盤に成岡まで加わった。

 

どこで起用しても100点近いプレーが出来る前ちゃんはその特性上逆に中盤に居場所がなくなってしまったんですよね。

 

むしろ安定しない3バックの一角に収まった。

 

しかし、パーフェクトプレーヤーの前ちゃんにも弱点はありまして、それが空中戦。

 

「高い(深い)位置でボールを奪いたい」エスナイデルの戦術は、相手にロングキックの選択肢を選ばせる機会が多いですから前ちゃんのCB起用は相性が悪いんですよね。

 

そんな折、CBで出場機会を得たのが平瀬。(平瀬、空中戦強いです)

 

平瀬が前ちゃんが担っていた右CBに収まることで、前ちゃんは今度ははまり役が居なかった左WBに回されました。

 

 

そして迎えた第33節水戸戦。

 

この試合は先に水戸に2失点を喫しますが、全て前ちゃんが絡んでしまいました。

 

この時私は「流石に前ちゃんをたらい回しにしすぎ」と感じていましたが、根本は編成の問題なのでやるせない気持ちはありましたが怒りのような感情はありませんでした。

 

強いて言えば「どうか引きずらないで」でしょうか。

 

 

この試合、解説の中島氏は「WBの前選手には突破力が無い(のでサイドに渡してもどうにもならない)」としきりに言っていましたが、むしろ私はこっちにキレてました。

 

なんなんですかね?

 

中島氏はWBと言えばW杯の三苫のイメージなんでしょうか。

 

三苫のように単独突破してチャンスメイク出来るならそれに越したことはないですが、三苫のような選手がJリーグには、日本にはあふれてる認識なのか?と。

 

そんなわけないでしょ、と。

 

三苫は日本でも、あるいは世界的にみても突出した個を持つ稀有な選手でしょ?

 

実際どんな意図で解説(とも言いたくない戯言)をしていたのか分かりませんが、WBの在り方として、三苫のような突破力のみを評価する姿勢は本当にサッカーをつまらなくします。

 

 

前ちゃんは一つ前の試合でWBでアシストしてるんですよ。

 

第32節の甲府戦です。

 

前ちゃんがアシストしたのは、得点を創出したのは、では単独突破からか?というとそうではなかったでしょ、と。

 

左WBとして縦では無く、高い位置でボールを受けて、中に運んだんです。

 

そしてライン間に居る選手にパスをした。

 

矢島が今まで聞いたことのない五十嵐の「スルー!」を受けて五十嵐へを選択し、五十嵐の見事なシュートで決勝点を挙げあの甲府に勝った、あのシーン。

 

 

WBに突破力があるに越したことはありません。

 

が、攻撃において突破力のみが評価されるポジションなのでしょうか?WBは。

 

レノファは3142で試合をしていました。

 

最前線に2トップ、ライン間に2人の選手がいるシステムです。

 

WBの選手が中に運び、ライン間の選手に渡すだけでも充分にチャンスを作れるんですよ。

 

WBからライン間にいる池上がボールを受けてシュートを打ち、相手に当たっても河野がねじ込んだりしてるじゃないですか。

 

もう一度言いますが、前ちゃんはどこで起用されても100点近いプレーが出来る選手です。

 

その選手に「突破力が無い」と断ずること、失礼極まりないです。

 

エスナイデルがWBの選手に「突破力ガー」なんてコメントしてるの見たことありますか?と。

 

現場の意図を汲むことをせず、自身の理想を解説としてバラまく姿勢を恥じていただきたいものです。

 

 

 

 

申し訳ありません。

 

少し話が逸れました。

 

直近の第36節群馬戦ではかなりマシになっていたとはいえ、思い出して熱くなってしましました。

 

「前ちゃんどうする?」問題に戻します。

 

 

3142で攻撃に目途が立ちましたが、前ちゃんのポジションは果たして今シーズン一杯左WBでいいのか?キムの左CB起用は怖すぎる、という点が気掛かりだったものの、もうこれでいくしかないよなぁ、とも思っていた中で、第34節ヴェルディ戦、エスナイデルが動きました。

 

 

前ちゃん・右SB、キム・左SBの442(4231)です。

 

 

ズッ友のクロスバー氏はヴェルディ戦で戦果を挙げた岡山の3142は強度的にレノファには難しいから442(4231)への変更、という「相手を見て」寄りの視点だったかと思いますが(記事の意図読み間違えていたら申し訳ありません)、私は純度100%「自分たちの都合(事情)」が442(4231)への変更要因だったとみてました。

 

 

力負けは仕方ないが、ちゃんと力比べをして負けたい。 東京ヴェルディvsレノファ山口@維新 2023年9月9日 - レノファを青黒の眼で東京から見るblog (hatenadiary.com)

 

 

クロスバー氏の記事です↑

 

 

この試合の布陣は右から

 

 

前、平瀬、ヘナン、キム

 

吉岡、神垣、成岡、五十嵐

 

梅木、池上

 

 

でして(梅木、池上は縦関係とも言えます)、この形からボール保持時

 

 

前、平瀬、ヘナン

 

吉岡、神垣、成岡、キム

 

池上、五十嵐

 

梅木

 

 

の3421になるのだと思っていました。

 

いわゆる左肩上がりってやつです。

 

 

平瀬の高精度クロスを使えなくはなりますが、平瀬は3バックの右CBで起用すると、ボール保持時キレイな3バックの位置を取ってくれないんですよね。

 

妙に張るというか。

 

加えて妙に上がりたがる節も見受けられるので真ん中に入るのはこれはこれで有りだなぁ、と。

 

 

私は第32節甲府戦が非常に示唆的だったと感じたのですが、池上と五十嵐は大枠同じタイプだとみてますので同時起用よりも片方ずつ起用するがベストと思ってましてシャドーの配置は気に入らないのですが。(甲府戦、池上が1得点、池上に代わって投入された五十嵐が1得点。池上も五十嵐も矢島のような選手と組んで力を発揮するタイプとみてます)

 

それでもボランチのコンビが神垣と成岡という最高の組み合わせ。

 

なにより変形(可変)は伴いますが前ちゃんとキムの座りが非常に良いんですよね。

 

前ちゃんがもったいない気がしますが、キムは一瞬入った第32節での左WBでクロスからアシストしてますし、この布陣はかなり良いなぁ、と。

 

 

が、実際は右から

 

 

平瀬、神垣、ヘナン

 

前、成岡、五十嵐、キム

 

吉岡、池上

 

梅木

 

 

のような、かなり歪な、3421とも言えないような形になってまして。

 

前ちゃんは何故かボール保持時サイドを駆け上がって異常に高い位置を取ってましたし、五十嵐は何故かボランチの位置に来るし、キムはそれに伴って高い位置を取るでもなく、各選手が変形(可変)後に力を発揮しやすい形になってなかったんですよね。

 

わけの分からない配置かつ複雑なのにも関わらず効果は特にないどころかむしろマイナス。

 

また神垣をディフェンスラインに降ろした時点であり得ない仕組みであり仕込みでした。

 

 

加えて守備も崩壊してまして。

 

プレスが442の王道になってなかったんですよ。

 

普通442や4231でプレスする時は相手のアンカーに当たる選手へのケアが必須で、一般的には2トップが見張るはず。

 

が、レノファは2トップがCBに突っ込んで行って、アンカーに当たる選手にはボランチの選手をドンドン前に出してケアさせてバイタルがスカスカになっておもしろいようにそこを使われて・・・正直勝負になってなかったです。

 

 

個人的な見立てですが、「前ちゃんどうする?」問題に対して前ちゃん・右SB、キム・左SBは非常に良い解決への取り組みだと思ったんですが、成立させ得るだけの準備を感じ取れませんでした。

 

ビルドアップにおいて神垣を落として成岡にアンカーをやらせる3+1は神垣のポジショニングの良さも、成岡の抜群の推進力も殺してますし、五十嵐や池上にボランチの位置に入らせてボールを捌かせることに一体何の意味があるんでしょうか?

 

五十嵐はライン間での勝負、池上はライン間からのミドル・ロングシュート、あるいはニアゾーンに走ってもらったりクロス時中に入る強さで貢献してもらいたい選手のはずなのに。

 

プレスも霜田・名塚監督時代に上手くいった試しがないやり方でしたし。

 

 

初期配置から醸し出される問題解決の期待感は完全に裏切られました。

 

 

選手選考は素晴らしいのにやり方がボール保持非保持共にこれまで失敗し続けたものだったのでかなりきつかったです。

 

コーチ陣はなにやってんだ、機能してねぇだろ、って悪態ついてました。

 

 

 

 

そんなわけで、第34節ヴェルディ戦の内容と結果を受けて、私は「前ちゃんは右CB固定」「キムは何とか状態を上げてもらう」「守備はお祈り(特に空中戦)」の3142で今後残留に向けて決定率を上げていく方向でシーズンを走り切るしかないな、と、そう結論付けてました。

 

 

が、エスナイデルがここからまた動きました笑

 

 

限界が見えた4123。

 

攻撃は凄まじいが守備がボロボロの3142。

 

座りの悪い選手配置を是正するためにやったが攻守にどうにもならなかった442(4231)。

 

 

これらを経て3421です。

 

 

ヴェルディ戦の直後、第35節磐田戦から採用して来ました。

 

町田の黒田監督の言葉を借りるなら、7節を一区切りに1タームとする考えで、ファイナルターム直前で再び動いて来た、と。

 

動きすぎ・・・というより、私は本当にエスナイデルはタフだなぁ、と感じました。

 

私はある種ヴェルディ戦は捨て試合として「前ちゃんどうする?」問題に望んだ形での成果は得られなかったものの、これを区切りに先ほども書いたように3142で突っ走るのだと思ってたんですよ。

 

攻撃に関してはビルドアップはIHの選手が気を利かせることで安定してボールを前進させられますし、フィニッシュはライン間の選手に上手くボールを渡せば決定機までは作れる。

 

が、守備に関してはプレスもブロックもボロボロ。

 

 

そんなエスナイデルレノファの3142から3421へ。

 

 

正直やってることは”霜田式3421”だとは思うんですよ。

 

要は「いらんことをしない」っていう。

 

ただ、これまでの流れや取り組みから考えると、ホント、よくここに辿り着いてくれたなぁ、と。

 

 

プレスは523でボールホルダーに近い選手が突っ込み、剥がされたら後ろで余ってるCBが突撃。

 

レノファのCBはスカウトの特徴なのか前に出る守備が強い選手が多いです。(キムだけ良くも悪くも違う印象ですが)

 

レノファの抱えてる戦力的に一番良いプレスの形だと感じます。

 

4123で最初から前線に多くの選手を置いてもレノファの掲げる(エスナイデルの監督就任前から)「ボールを高い(深い)位置で奪いたい」は中々成就しませんでした。

 

レノファのプレスが上手くいってる時は大体前線よりも最後尾に選手が多い時です。

 

前線の選手が必死にボールを追いかけ回して後ろの選手が視界にマーカーを捉えて準備しやすい状況を作った時、大体ボールを奪えてます。(渡部がこの辺本当に上手く見事だったんですよね)

 

昔からそうですが、レノファは網をかける守備のようなものが苦手とみてまして。

 

渡邉監督が修正しかけてましたが頓挫。

 

良くも悪くもレノファは人にアタックする守備が得意です。

 

言い方変えれば渡邉監督時代を除き、それしかやって来なかったチームです。

 

だからこそ、3421から523プレスはレノファとの相性が抜群だなぁ、と。

 

 

加えて、ブロックも541で構えられるのでボールウォッチャーだらけのレノファにあって、質ではなくゴール前の量で弾き返せる目途が立ったのは曇天が晴れる思いです。

 

名塚監督が魂のシュートブロック仕込んでくれましたし(霜田監督の時はひどかった)、GKはあの関ですからね。

 

 

523プレス、541ブロックで守備を立て直したのはお見事。

 

 

かつ、3142の時ほどの破壊力は無いかもですが、攻撃に関してもフィニッシュ局面でしっかり決定機を作れているのはグッド。

 

3421になって3142のアンカーをやっていた謙介がまたポジショニングが悪くなってきたのは気掛かりですが、この辺は謙介、というよりチームとしての伸びしろと捉えています。

 

ここまでの立て直しをしながらちゃっかり暖機運転してくれてるんですよ。エスナイデル。

 

生駒を試合後半で起用してくれていますし、神垣もしっかり起用してくれています。(第36節群馬戦でシャドー起用したのは驚きましたが)

 

生駒の復調、高橋の復帰、平瀬の復権、どれかあれば前ちゃんをいよいよボランチ起用出来ますし、3人ともがコケてしまっても暖めてる神垣がボランチに入れる。

 

もし仮にそうなった時に心から神垣をディフェンスラインに降ろさないでと願ってます。

 

成岡(あるいは矢島)と相手のFWとMFの間に立たせ続けてください、です。

 

 

ひょっとしたら謙介がもう一段階パフォーマンスを上げてくれるかもしれませんし、3421自体はこのまま続けるでしょうが、選手構成は細かくは変わるかもで、それはチーム力を上げる良い競争から為されていると感じますし、ファイナルタームに向けて課題を解決しながら伸びしろを残しているので残留争いを貫通して来年への期待感が強いです。

 

 

流石に来年の話は時期尚早すぎますが、次節金沢、その次の大宮戦のビッグマッチをこれほど明るい前向きな気持ちで迎えられるとは、いやはや、思いもしなかったです。

 

2試合連続で無失点で、直近の群馬戦は相性の問題もありますが決定機らしい決定機を作らせませんでしたからね。

 

 

 

 

小山・渡部・葛西トリオの新体制が行ったエスナイデルレノファへの変革。

 

点でなく線で、流れで見ると本当に見応えがあっておもしろいです。

 

どうか残留を掴み取っていただきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、キムと時期尚早と言った舌の根も乾いて無いですが来年の話をさせてください。

 

 

私、キム・ボムヨンが大好きになりまして。

 

なんかよく分からない魅力が詰まった選手なんですよね。

 

キムのロングキックについて、どう受け止めるか判断に困っていたんですが、個人的にやはり有りだな、と。

 

繋げる時に蹴ってしまう、という時もありますが、逆に、繋げない時に蹴ってくれる、んですよね。キム。

 

何度かブログやXで主張してますが、私は「ハメられ切ったら繋ぐのは無理(難しい)」という認識が抜けないんですよ。

 

スペイン代表だろうとマンチェスターシティだろうと無理なものは無理と、難しいものは難しいと感じるんです。

 

名塚監督はそれでも(ハメられ切っても)剥がすのが成長だ!出来るようになりましょう!で自滅しまくって勝ち点を落としまくりましたけど、ごめんなさい、これってやっぱり馬鹿げてると思うんですよね。

 

相手が前に人を割いたら前線は相手の守備陣と数的同数になってる可能性が高いんですから普通に蹴ればいいと思うんですよ。

 

その点、キムは蹴ってくれるんですよね。

 

これが出来る選手、レノファでは中々見たこと無いです。

 

レノファ史上最高のCBと個人的に思ってる渡部ですらやらなかった印象でして。

 

 

見方によるかもですが、キムのロングキック、肯定してあげてほしいな、と思ってます。

 

繋げる時に繋ぐ、無理な時は蹴る、これって結構難しいです。

 

レノファで出来た選手パッと出てきません。

 

キムのロングキックを短所として受け止めず、長所として見てあげてほしいな、と。

 

キムのロングキックでボールを失う時もありますが、そのロングキックでレノファが救われてるシーンもあります。

 

現場陣も、エスナイデルが監督なら大丈夫と思いたいですが、変に修正しないでほしいです。

 

 

第36節群馬戦の終盤、これまでのキムならロングキックで逃げてくれてるのになぁ、なシーンでやけに繋いでチームとして自滅しかけてましたが

 

 

本来であればボールを保持して楽にゲームを進めたかったですが、勝てていないというところでバタつきが出たのかなと思います。前から来る相手に対して、冷静にはがして、自分たちがボールを握るということがしっかりとやれるようになれば、そこでももっともっと上に行けますし、個人個人が余裕を持ってプレーできるようになると思います。(第36節群馬戦後・佐藤謙介

 

 

個人的にはこういう考え(クロージングへの考え方込み)で地獄を見たのが名塚体制だったわけで、いかがなものかと。

 

謙介の考えは間違ってないですし、王道です。

 

が、王道は力量のある、技術のある者が進める道でして。

 

今のレノファは他チームとの比較で力、技術で優位を取れているかと言ったらNO。

 

では、目指しましょう、で良いのかというと、その結果が今年も残留争いなわけで。

 

石原元GMが「過去最高メンバー」と評したチームでさえ、なんですよ。

 

 

それはそれ(理想)これはこれ(現実)。

 

 

理想を捨てろとまでは思いませんが、保留やいい案配で、という考え方が欲しいな、と。

 

そんなわけで、キムには折れずに今日も明日も漢気ロングキックを望みたいです。

 

私は現状のレノファならキムのロングキックを肯定し続けます。

 

(ちなみに、後ろで左右のCBのどちらかがボールを持った際、キムのポジショニングが素晴らしいです。後ろで角度をつけてくれるんですよ。横並びではなく、左右のCBより下がる。これが出来るキムは素晴らしい選手だと思います。今年の神垣はこれが出来るまで2試合掛かりました。・・・。つまり神垣もスゲェってことです)

 

 

 

 

そして、来年の話。

 

主に編成について早すぎるんですが少し触れたいです。

 

 

細かく見ればちゃんとストーリーがあるんですが、大雑把に捉えると「結局、今年も4123失敗。3421で勝ち点稼ぐ」になってしまいました。

 

理由は本題の方で触れましたが、レノファの「高い(深い)位置でボールを奪いたい」は、前線に人を多く割く4123では実現が難しいんですよね。

 

ある程度ボールを刈り取る位置を決め、そこに網をかける守備が出来ないと成就しないフォーメーションだと思ってまして。

 

そんなこと(渡邉監督体制下を除き)やったことない、やれたことのないレノファには難易度が高すぎると感じるんですよ。

 

レノファの「高い(深い)位置でボールを奪いたい」が実現出来てる時って前線よりも最後尾に人を余らせてる時だよね、ってことで、いい加減4123編成から3421編成に変えないですかね?

 

小山・渡部・葛西トリオはこの辺どう評価してるんでしょうか。非常に気になります。(会長は編成に関係ないでしょうけども)

 

その答えはシーズン終了後の動向で見えてくるもので特段何としても知りたい、って程のことは無いですが・・・。

 

 

「勝ちたい」でまとまったのが現レノファですから、選手編成に関しても理想を追うばかりでなく変革の手を打ってみてほしいですが、はてさて。

 

 

個人的には水戸のような編成で、戦い方は栃木、みたいだと夢があっていいなぁ、なんですが笑

 

無理筋な夢でもなくある程度現実的でもあると思いますし。

 

で、なにかしらでJ1行く準備が整ったら町田のようにドカッとお金を使って勝負!みたいな。

 

 

まぁ、いずれにしろ。

 

ジャンボがかつて「レノファは攻撃的なチーム」「それはボールを高い位置で奪ってショートカウンターをするから」とコメントした「レノファらしさ」を体現してるのは毎年”霜田式3421”だよなぁ、って私は思うんですが、どうッスか?

 

霜田監督と作ったらしい「レノファらしさ」は4123でなければならない!なんて事はもう今となっては無いと思いますし、「レノファの流儀」なんて形骸化してるってかつて小山会長が言ってましたし、ボチボチ毎年の残留争いに飽きてきたところでもありますし、ある程度理想から現実に振ってゆるりと上位を狙ってほしいなぁ、なんて思ってるんですが。

 

 

今年の金沢・大宮との残留デスマッチ、そしてその次の来年への編成、温かく見守りたいです。