非常に難しい状況だがやることはシンプルだと思うエスナイデルレノファ

第31節徳島戦の結果(0-2敗戦)を受けて、レノファはフェーズを変えなければならないのでは?と思っていまして。

 

ただ、レノファの現状を鑑みればそれは非常に難しいとも感じていまして、中々上手いこと考えがまとまっていません。

 

なので今回は雑感という体で現状のレノファについて思うことを書かせていただきます。

 

取り留めがない内容になるかもですが、お付き合いいただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

徳島戦での敗戦でレノファは順位を21位に下げ降格圏に入りました。

 

今シーズンの目標は「トップ6」でしたが、残り試合数(11試合)と現在の勝ち点(勝ち点32)を鑑みれば「残留」が今後の目標になるでしょう。

 

ここから11連勝でもすれば勝ち点が65になるのでトップ6入りの可能性が高まりますが、直近5試合で勝ち点1しか積み上げられなかったチームがそんな奇跡を起こすとは考えにくいので、まずは勝ち点を40に乗せることが現実的に目指すところかな、と。

 

今後残留争いをしていくであろうチーム、仮に現在勝ち点40以下のチームをその相手としますが、そのチームとの比較で見てみると、残留に向けて最も後手を踏んでいるのはレノファかなぁ~、とみてます。

 

直近5試合で勝ち点を3以上積み上げられなかったチームはレノファ、藤枝、熊本の3チームなんですが、先ほども書いたようにレノファだけが勝ち点を1しか積み上げられなかったんですよね。

 

藤枝、熊本が積み上げた勝ち点は2ですし、トータルで見ると下位は勝ち点が拮抗してるので殊更に騒ぐことでもないのかもですが、ズルズルモタモタしていると間違いなく降格してしまう状況ではあるよなぁ~、と。

 

 

だからこそ、フェーズを変えなければならないのでは?と思ったわけです。

 

 

ここまでのエスナイデルの選手起用を見るに、私は「試験」(「エスナイデル試験」と呼んでました)を行っているとみてました。

 

会長、社長、監督が「勝ちたい」と異口同音にコメントし、フロントと現場、クラブとチームが「勝ちたい」でまとまったのが今のレノファです。

 

なのでエスナイデルが行った「試験」は当然「勝ちたい」から行ったとみてまして。

 

「勝つチーム(組織)」を作るために監督が行うことの一つに「”競争”と”固定”」があると思ってます。

 

「個」を高めるために「競争」を促し、「組織(チーム)」を成熟させるために「固定」がある、というイメージです。

 

で、エスナイデルが行った「試験」は純粋な「競争」というより「”発掘”を兼ねた”競争”」だとみてました。

 

戦力の掘り起こし、と言うんでしょうか、名塚体制で重用されていなかった神垣や高橋が掘り起こされ、競争を経てスタメンを勝ち取りました(試験合格)。

 

 

「勝つチーム(組織)」を作る上で、あえて上位下位の概念分けをすると

 

 

・「固定」 → 上位概念

 

・「競争」 → 中位概念

 

・「発掘」 → 下位概念

 

 

の順になるでしょうから、その意味でエスナイデルは丁寧にチームを作っていた印象でした。

 

エスナイデル試験の終わりは「”発掘”を兼ねた”競争”」の終わりを意味するものと思ってまして、「固定」に足るメンバーを見定めた時になるだろうな、と。

 

 

 

 

「固定」の最大のメリットは「練度の成熟」だと思ってます。

 

軸となる選手を見定めて、序列を作ること。

 

これが組織(練度)の成熟を図る上で欠かせない運用でしょう。

 

徳島戦後、平瀬が

 

 

攻撃にどんどん参加しようという気持ちもありましたが、その気持ちが強いがゆえに前選手との距離感が少し遠くなって、タカくんがやりたかったようなサッカーがなかなかできていなかったです。

 

 

とコメントしてましたが、軸となる選手(前ちゃん)がいると「自分はこうしよう」と考えを整理出来ますので”準備がしやすい”んですよね。

 

この、周りが”準備がしやすい”こそ「固定」の最大のメリットである「練度の成熟」に繋がる要因だとみてまして、個人的に重要視してます。

 

 

名塚監督の「練習で良かった選手を使う」という、言い方悪いですがスタメンをエサにする方針は役割分担が明確でなく、選手個々人が準備がしにくいやり方だったとみてましたので、「勝つチーム(組織)」を作るという観点でみたら「固定」に到れず「競争」ばかりしてたということですので下策だったなぁ、と。

 

いつまで経っても競争しかしないのでチームにならないんですよ。

 

 

 

nandemoiijanai.hatenablog.com

 

 

過去記事で批判しましたが、やってるサッカー自体苦行そのものでしたし、改めて思うとチーム内で競争しかしてないんだから相手にベクトル向かうはずも無く、みてる側としては「闘ってない」評価になりますわな、と。

 

 

 

 

残留争いをするであろうチームの中で直近5試合で勝ち点1と、現在最も成績が悪いレノファ。

 

かつて「競争」ばかりで終戦モードに入った過去もありますので

 

 

-「固定」のフェーズに入るべきでは?

 

 

と思うのです。

 

 

エスナイデル試験が充分に行えたかは定かではありませんが、状況が状況だけにここまでの成果を持って切り上げてもいいのではないか?と。

 

軸を決め、序列を作り、役割分担を明確にすることで”準備がしやすい”体制を整えてあげて、「練度の成熟」を図りつつ勝ち点を稼いでいくフェーズに移行すべき時なのではないでしょうか。

 

 

って、思うんですけどね・・・。

 

 

なにやらエスナイデルのコメントや徳島戦後のエルゴラの記事によると、レノファにコロナ感染者が多く出てしまってるようで。

 

負傷やコロナ(体調不良)で「固定」に到れない、っていう。

 

本当に苦しいですし難しい。

 

理想はエスナイデル試験を経て「固定」しつつ緩やかな「競争」を交えて試合をすることと思っていただけに、頭が痛いです。

 

 

私は徳島戦後、がんばれぇ、の段階は終わって、やるしかない、の段階に入ったと思っていました。

 

すなわち、先述の通りエスナイデル試験の切り上げ、「固定」の始まりです。

 

が、チーム事情的にそれが難しいとなると・・・もう手が無くないか?と。

 

「固定」こそ今シーズンのレノファに残された最終手段だと思っていただけにかなり気持ちが落ち込んでます。

 

それを取り上げられては希望が持てない。

 

チームが万全であればピンチはチャンスと言えるんですが、万全でないなら言えないです。

 

 

ですが、ピンチはチャンスと言えるだけの底力があるようには見えず、満身創痍気味に見えるレノファだからこそ

 

 

-やるべきことやりましょう

 

-いつも通りやりましょう

 

 

という平常心を求めたいな、と思っています。

 

 

もう気持ちでどうこうなる段階じゃないと思うんですよ。

 

基本的に「やりたい(勝ちたい・理想)」を実現するのはメンタルではなく技量じゃないでしょうか。

 

「やりたい」が「出来ない」のは気持ちの問題では無く技術の問題では?という話です。

 

レノファが現在の立場にいるのは気持ちの問題では無く技術の問題です。

 

なので非常に難しい状況のレノファに「気持ちを見せろ!」的な要求は何一つなく、かといって技術的な問題が一朝一夕で解決出来るわけもなく。

 

ただただ「やるべきことを」「いつも通りやりましょう」を求めたいです。

 

 

 

nandemoiijanai.hatenablog.com

 

 

この記事で推測しましたが、エスナイデルは基本「勝ちたい」です。

 

そしてその戦術は

 

 

・「ボールを自ゴールから遠ざけて、高い(深い)位置でボールを奪いたい」 → 上位概念

 

・ハードワーク → 中位概念

 

リカバリー → 下位概念

 

 

だと思ってます。

 

 

上位下位ありますが、全部大事です。

 

まずはしっかりリカバリー。

 

そしてハードワーク。

 

これらが出来て初めて「ボールを自ゴールから遠ざけて、高い(深い)位置で奪いたい」という戦術が成り立ちます。

 

気持ちが空回るのが一番チームの出力を下げてしまうので、平常心でもって明日までしっかりリカバリーして、試合当日のハードワークに期待させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

残留すべく今後は「固定」が望ましいと思ってましたが負傷やコロナで叶いそうもなく、非常に難しい苦境に立たされたように見受けられるレノファですが、やるべきは平常心を持ってリカバリー、そしてハードワークというエスナイデルレノファの原点に帰ることでは?という雑感でした。

 

最後に選手個々人について雑感の体を維持したまま思ってることを書いて終わりたいと思います。

 

 

 

 

まず、神垣。

 

最近ボール保持時にやたらにディフェンスラインに降りて来るようになった印象です。

 

この動きは神垣のパーソナルなところに変化があったわけではないとみてまして。

 

 

もしかしたら私が思っているよりも低めのポジション取りでプレーできるかもしれません。(第23節藤枝戦前・エスナイデル)

 

 

全部が全部ってわけではないでしょうが、エスナイデルの指示があってのことなのかな、と。

 

正直3バックシステムでビルドアップ時ボランチやアンカーの選手がディフェンスラインに降りるメリットが思い当たらないので、神垣には相手のFWとMFの間に立たせ続けてほしいんですが、どうなっていくでしょうか。

 

徳島戦では3412のシステムを採用していたようで(私は3142からボール保持時水口降りて来て3412になってるのだと思ってました)、右CBの平瀬が上がれば神垣が空けたスペースに入る、沼田が上がれば水口がスペースに入るという、必ず後ろに3枚確保するやり方をしていたように見えました。

 

水口がベンチに下がって以降、神垣が上がったCBのスペースを埋めるを一人でやってたのでなかなか大変そうでしたが。

 

このリスク管理は非常に良いと思うのですが、CBが上がるタイミング、スイッチを神垣が入れがちだったのはいかがなものか、と。

 

ちょっとの間、かなりいびつな442になってまして、CBが躊躇するとロングボールを蹴るしかない状況になっちゃうんですよね。

 

ロングボールを蹴ること自体に問題は無いですが、蹴らされたくはないのです。

 

仕方なく、という受動的な動機ではなく、能動的に仕掛けたい。

 

この辺は練度とかコミュニケーションの問題だと思うので、神垣が降りる、がスイッチでは無く、CBが上がったら、に変わっていってほしいなと思ってます。

 

 

3142ならCBは上がらない、神垣は降りない。

 

3412ならCB上がったら上がった側のボランチが空けたスペースをケア。

 

 

この辺が整理されていくことが望ましいな、と。

 

 

そこを踏まえて成岡の話。

 

もし甲府戦で成岡を起用するならば3142のIHで、あるいは3412のボランチで起用するなら可能な限り成岡がCBのケアでディフェンスラインに降りなくていい形を見出しといてほしいです。

 

成岡がライン間でどういうプレーをしていたか記憶が無いんですが、相手のFWとMFの間でボールを受ける技術、そしてそこから運ぶ技術を存分にチームに還元してもらえるように準備されてること願います。

 

個人的には3412で成岡をボランチ起用して、ボール保持時、仮にCBが上がったら神垣はその時いる場所から近いところのディフェンスラインに降りて、残りのCBがスライドすればいいんじゃないかと思いますが・・・複雑すぎますかね?

 

神垣のボールを刈り取る力を鑑みればディフェンスラインでリスク管理させておくのはもったない気がしますが、うーん、シンプルに3142で成岡をIH起用してボール保持時は大体全部任せた!っていう矢島先生に求めたいことを成岡に投げておくのでいいでしょうか。

 

 

次、ディフェンス陣。

 

徳島戦で3バックの左右のCBを務めた沼田、平瀬のパフォーマンスが非常に良く。

 

もう前ちゃんをCB起用する必要なくないか?と思ってます。

 

前ちゃんはエスナイデルから全幅の信頼を得ているでしょうから間違いなく主軸の選手。

 

ですが、どう考えてもディフェンスリーダーでは無いよなぁ、と。

 

いないからやってもらってる、というのが現状とみてまして。

 

ヘナン、キム、沼田、平瀬、そして生駒、あるいは上本で一本立ち(?)してくれないですかね。

 

ディフェンス陣に目途が立てば前ちゃんを中盤に持って来れるのでかなり厚く回せるようになるんですよねぇ。

 

ヘナンがスタメンに戻ってきた時に前ちゃんをどこで起用するかに注目してます。

 

 

次、少しだけキム。

 

千葉サポの方が「エスナイデルのハイラインをボムヨンが一人で支えた」と言っていたのでキムは守備の人、それも菊池やヘニキ型の選手と思ってたんですが、なんかちょっと思ってた選手と違うなぁ~、と感じてます。

 

おそらくフィジカルコンディションの問題だと思うんですけど、強さ、たくましさを感じないんですよね。

 

後、CBとしての試合勘?と言うんでしょうか、1対1の詰めが甘い?感じです。

 

ボールを取ろうとしすぎて体がかなり前につんのめっちゃうシーンが多いな、と。

 

反転されて楽に剥がされてますので早く戻してほしいところです。

 

そして菊池、ヘニキよろしく極度のボールウォッチャーなところはもうご愛敬。

 

ブロックを敷く際、人について行っていいところでスペースに戻ったりかなり怪しい挙動が見え隠れしてますので、ホント、試合勘をまずはなによりも戻してほしいです。

 

右足左足から高精度のロングフィードを蹴っていたのには驚かされました。

 

蹴るタイミングといった割り切りはエスナイデルサッカーにマッチしてると思いますので、蹴る基準のような観点で見ると良い選手を獲得出来たなぁ、という印象を持ってます。

 

 

最後、選手ではなくエスナイデルサッカーについてちょろっと。

 

最近のエスナイデルレノファは3142(3412)を採用してますが、3142と言えば私の中では現在町田のコーチをやってる金コーチが鳥栖の監督をやってたころの3142が至高でして。

 

プレスとビルドアップが本当に美しかったんですよね。

 

とりあえずビルドアップは置いといて、プレス。

 

エスナイデルレノファのプレスは相手のSBにWBをぶつける形でして、金ん鳥栖(すみません、言い方がこれしか思いつかなかったです)は相手のSBにFWかIHをぶつけてたんですよね。

 

FWが行くときはCBへのパスコースを切りながら、IHが行くときは中盤の選手へのパスコースを切りながら、かつ、アンカーの選手が前に出てその選手を抑える、と。

 

エスナイデルレノファはCBが相手のSMFを見ることになるのでスライドが必要ですし、スライドできても後ろが数的同数になりやすいので結構危ないんですよね。

 

金ん鳥栖はWBが相手のSMFを見るので基本的に相手の前線に対して数的優位を作れてたんですよ。

 

その分前線のFWの2、中盤の3の選手たちの運動量が凄まじいことになってましたし、ハイラインにもなるので後ろに広大なスペースが出来まして、そこに蹴られた際にGKの朴が異次元のカバー範囲で走行距離がおかしなことになったりがありましたけども。

 

 

で、なにが言いたいかというと、「高い(深い)位置でボールを奪いたい」チームは「ハメ位置」の設定が重要だと思うのです。

 

金ん鳥栖は相手のSBをハメ位置に設定して(必ずしもそうだったとは言えませんが)一気にスライドして圧縮後にボールを掻っ攫ってたんですが、エスナイデルレノファはというと・・・。

 

はて、どこが「ハメ位置」なのでしょうか?

 

相手のSBにWBをぶつけること自体は別にいいと思うんですよ。

 

が、現状だと遠すぎるんですよね。

 

中々カメラに写って来ません。

 

行くなら行くでもっと早くを求めたいところです。

 

個人的には前線の2と中盤の3でハメ切れる方が望ましいとは思いますが、この辺りは役割を明確にハッキリとさせといてほしいです。

 

どっちでもいいんです。

 

中途半端が一番良くない。

 

 

いずれにしろ、徳島戦をハイライトで見返しましたが2失点ともジュニオールのスライドが間に合ってないところからがスタートだったんですよね。

 

ジュニオールが悪い!と責任を一人に被せる気はありませんが、エスナイデルサッカーをするならハードワークは基本のきです。

 

短いですが、失点するまでは良いサッカーが出来始めてます。

 

リカバリーしてハードワーク。

 

甲府戦、多少チームとして修正すべき点があると思いますが、「やるべきことを」「いつも通りやりましょう」を遂行してくれること切に願います。

 

 

 

 

以上、雑感でした。

 

お付き合いありがとうございました。