【第6節 away いわてグルージャ盛岡戦】 神垣こそレノファのバンディエラになるべき男ぞ。

今節からレノファは3連戦を迎えます。

 

土曜日に岩手、水曜日に徳島、日曜日に運命の大宮戦、と。

 

去年の名塚監督の采配的には連戦の際(一部軸の選手を除き)ローテーションをためらわない感じでしたので、この3連戦で普段出番がなかった選手たちにチャンスが回って来ることでしょう。

 

神垣、島屋、石川辺りはスタメンで、岸田は途中交代でピッチに立つ姿が見たいものです。

 

まぁ、大槻が絶好調とはいえ、本来は梅木や河野の姿も見たかったんですが、ケガとあってはそれも叶わず・・・。

 

後半戦くらいからの楽しみとしてそれは取っときましょ。

 

 

 

 

さて、ここまでのレノファの戦いぶりは素直に素晴らしいものだと感じています。

 

開幕前の不安が嘘のように毎試合毎試合前向きな試行錯誤がうかがえてます。

 

ただ、贅沢な話ですが、試合前の仕込みは素晴らしいと感じるものの「対策の対策が打てない」という点が課題だなぁ、というのが今年の感想で。

 

去年、渡邉監督が指揮していたころとは真逆な試合をしてますね。

 

あの頃はクソみたいな前半から素晴らしい後半。

 

今年は素晴らしい前半からクソみたいな後半。

 

監督の修正力に劣る今年ですが、去年よりかは保有戦力に合った戦い方が出来てる分、±0感があって実に何とも言えない感じです。

 

名塚監督の方が渡邉監督よりレノファというクラブやその選手、スタッフに詳しい、っていう強みがある分ややプラスかな、と。

 

てことで今年名塚監督が渡邉監督並みの修正力を手にしたら最強じゃね?

 

と思うわけですが、名塚監督のコメントを見聞きする限りそれはこの世界線では叶わぬルートでしょう。

 

前回書きましたが「対策の対策が打てない」という課題に対する解決策は個人的に2つ。

 

 

1、 選手たちが指示無しでピッチの問題を解決出来ちゃうくらい成長する

 

2、 山本ヘッドが監督に変わり修正する

 

 

どっちにしろ成長の時間、山本ヘッドの監督・選手から信頼される時間、と、めっちゃ時間が掛かりそうな課題なのかな、と思ってます。

 

なのでどちらかが為されるまでは「前半で試合を決めて後半お祈りタイム」という試合が続くんじゃないかな~。

 

てことで今節も「前半で出来るだけ点を決めて、後半逃げ切りで久々に勝ちてぇなぁ」と思いながら観戦してました。

 

 

 

 

対戦相手のいわてグルージャ盛岡は、ごめん、よくわからん。

 

一昨年岸田が研修に行ったクラブであり、今年の”ユーリ枠”ブレンネルとかいうゴリマッチョが前線におるぞ、と、それくらいの印象。

 

ただ順位では岩手の方が上であり、J3からの昇格チームだからと格下に見るのではなく、ちゃんとリスペクトして挑むべき相手でしょう。

 

が、レノファとしてはawayとはいえ「6位以上」を目標に掲げる以上そろそろ勝ち点1ではなく3がほしいところ。

 

より上に行って新しい景色を見るためにも何としても勝ちてぇ一戦。

 

 

 

 

結果は 0-0 で引き分け。

 

 

 

 

ここまで5試合全ての試合で得点を挙げてきたレノファ。

 

後半53分に相手に退場者が出たのにも関わらず無得点。

 

非常に悔しい引き分けとなりましたね。

 

私も試合直後は発狂してました。

 

例の如く「その着せ替え人形は恋をする」にメンタルを整えてもらったのでこの試合を振り返っていきたいと思います。

 

 

 

 

まずこの試合で特筆すべきなのは”神垣がスタメンだった”ことでしょう。

 

池上はお休みなのか、前日にクラブから発表されたトップチーム選手のコロナ陽性者が池上だったのか、それはどうでもいいことです。

 

とにかく大切なのは”神垣がスタメンだった”こと。

 

結論から書くと「っぱ、ガッキーはすげぇ」です。

 

理由はおいおい書いていくとして、まずは試合の前半から振り返っていきたいと思います。

 

 

普段岩手がどんなサッカーをしてるのか知りませんが、この試合ではビルドアップでは「ロングキック」を、守備に関しては大分のように「中閉め」でやって来ましたね。

 

レノファからボールを奪う位置によりますが、後ろで細かく繋いで崩しに来るというよりは前線のサイドに流れたりするブレンネルをターゲットにロングキックしたり、ブレンネルが空けた前線のスペースに走り込むシャドーの選手にロングフィードしたりシンプルな攻撃でした。

 

「関が全部止める」が発動することも無く、割と危なげなく防いでいたレノファでしたが、そもそもブレンネルが強すぎたり「ボールを奪ってカウンター」というのは、攻撃時に自滅の気が強いレノファにとっては充分脅威に感じるものでした。

 

 

守備に関しては「中閉め」。

 

3バックのチームなんで前からガンガン来るかな、と思いましたがそんなことも無く、シャドーの選手は自重的に中を閉めて、レノファのCBに突撃してくるのではなく佐藤謙介だったりインサイドハーフへのパスコースをケアしていた印象でした。

 

てことでこの試合でも空いてくるのがサイド。

 

左右のSBがドフリーになってたんで後ろでボールを保持することには困らなかったですね。

 

 

じゃあどうやってボールを前進させてくの?って話ですが、なんか色々やってました。

 

 

その中でも個人的に特に印象に残ったやり方を書いておこうと思います。

 

基本的にはいつも通りのインサイドハーフを降ろすやり方で前進を試みていたように思いましたが、これがチームの狙いなのか選手アドリブなのかは分かりませんけども、右サイドが面白いことをしてました。(左は割といつも通り)

 

それが”高木中絞り・真鍋上げ、神垣落とし”。

 

ウイングの高木が内に絞り、空いたスペースに真鍋が上がり、その真鍋が空けたスペースに神垣が降りる形。

 

あんまり多くこの形に変形してたようには見えないので選手のアドリブだったのかなぁ、と思いますが、今シーズン初めて見た変形だっただけに興奮しました。

 

この形が実を結んだかと言えば正直微妙ではありましたがね・・・。

 

いつも通り個人技やその連携やらで強引に突破していく左と比べると多少物足りない感は感じました。

 

まぁ、でも工夫していくのは大事。

 

琉球戦の実らない前プレスよろしくいつか花開く時が来るやもしれんわけですからね。

 

 

他にも流れの中からとはいえ一時的に神垣が佐藤謙介と場所を入れ替えアンカーをやってみたり、見てて面白かったです。

 

 

相変わらず前半の佐藤謙介が個人技で神がかり的なプレーを連発したり、左サイドの「異次元ルーキーコンビ」が強引にチャンスを作るもんでなんだかんだシュートまで行けるレノファ。

 

ただ、欲を言うと「ややインサイドハーフを落としすぎかな」と。

 

インサイドハーフが降りる時にはディフェンスラインにまで降りて来るので前線が孤立しちゃってたんですよね。

 

特にウイング。

 

左は「沼田がなんとかせい」状態でしたし、右は「高木・真鍋コンビで行けぃ」という無茶ぶり状態。

 

サイドがフリーで後ろでボールが持ててただけに何とももったいない攻撃だなぁ、と感じるんですよねぇ。

 

理想を言えばサイドにボールが渡ったら縦ではなく中を見たいですし、CB(だけではないですが)がボールを握ったらトップの大槻を落として、その大槻が空けたスペースにインサイドハーフを突撃させてみたいもんです。

 

前節ヘナンから大槻(だったか池上)に直接ボールをつけたあの形。

 

そこにインサイドハーフを前線に押し込む流れを作りたいですねぇ。

 

今はインサイドハーフを落とす方に比重が高いですが、今度は(”大槻落とし”が前提ではありますが)インサイドハーフを上げてみてほしい。

 

相手や試合状況によってこれを使い分けられたら絶頂が止まらんですわ。

 

 

で、これ出来そうなんですよねぇ・・・。

 

次節からすぐに、とはならないでしょうけど、今後数年かけて、ならいける気配を感じます。

 

そう感じる理由が神垣の存在。

 

 

神垣が試合後

 

 

-ボールを持つ時間が長かったが無得点。こうしておきたかったという部分はあるか?

「どうしても相手が引いていく中で、サイド、サイドになってしまっていました。もっと真ん中を見せながら、中盤の選手からのミドルシュートなど、大胆さがあればもっと変わっていたと思っています。」

 

とコメントしてました。

 

 

これは試合の後半、相手に一人退場者が出た中での試合の進め方に関して言及したものだと思いますが、これ、今のレノファが抱えてる問題の答えでもあると思うんですよね。

 

そうでなくとも、このコメントから分かるのは「神垣は試合展開を考えながらプレー出来る」ということ。

 

まぁ、そりゃ神垣に限らず全ての選手が多少なりとも考えてプレーしてるもんだとは思いますが、このコメントの質の高さ、というか的を得まくってるコメントを見ると相当賢い選手なんだなぁ、と。

 

そりゃあ渡邉監督が好むのも納得ですわ。

 

 

この試合後半相手が一人少なくなって以降攻め手が逆に苦しくなっちゃったんですよね。

 

岩手が ”4-4-1” ”5-4” で守ってきた際、もっと左右に相手を振ってブロックをズラしたり、釣り出したいんですが、アンカーの佐藤謙介を筆頭に相手に囲まれてる堅いゾーンへの縦へのパスが増えロストが増えました。

 

相手陣地深い位置でのロストなんで守備への切り替え的にはそんな問題にはなりませんでしたけども。

 

攻撃で考えるとあまりにもったいないロストの連発。

 

これが試合後の(私の)発狂に繋がるわけです。

 

 

まぁ、大雨でしたしピッチコンディションが良くなく、それにクソ寒かったらしいので判断が鈍ったり、「なんか起きろ」で縦に急いだのかもしれませんが。

 

とはいえ交代で入って来た石川が特にですが、左で進んだ際、逆サイドがフリーだったんですよねぇ。

 

ここを使いながら急がずジックリコトコト行きたかったなぁ、と。

 

 

名塚監督もこの辺りに関して

 

 

-一人少なくなってからの戦い方はどういうように見えていたか?

「(岩手が)一人少なくなり、(レノファが)一人多くなった中でボールを持ててしまうがゆえに、捏ねすぎたり、独りよがりのプレーをしてしまったりという部分が見受けられました。そういうときこそシンプルにボールを動かす。相手を動かす。そういう中でゲームを開かすというサッカーをしてきているのに、シンプルさに欠けたところはまだまだと思っています。」

 

 

とコメントしてました。

 

てことは、ですよ。

 

ピッチでちゃんと考えながらプレー出来る選手、それこそ神垣は今後プライオリティーが増していくんじゃないかな、と期待してしまいます。

 

 

が。

 

 

-神垣陸選手の起用の狙いと評価を聞かせてほしい。

「ガキに関してもトレーニングから調子が良かったですので、運動量という部分では良くやってくれたと思っています。」

 

試合後の監督からの評価はこんなもんのようです・・・。

 

くそっ。

 

こいつ・・・チェンジで。

 

 

今節でも今後の試合に関しても神垣のプレーには満足ですし、これからもっと良くなっていきそうなのに・・・。

 

まぁ、神垣が描くプレービジョンに合わせられそうな選手が他に渡部か島屋か(ワンチャン高木も)、普段のコミュニケーションの取り安さから推測するに橋本、沼田くらいしか現状いない気がします。

 

神垣がレノファの中心になって監督、選手から信頼されるくらいにまでなった時、レノファはめちゃくちゃ強くなりそうです。

 

果たしてその時まで神垣がレノファにいてくれるもんなのかは分かりませんが。

 

 

イラつく試合ではありましたが、神垣にレノファの未来が見えましたので、私個人的には収穫のあった試合でした。