【第3節 away アルビレックス新潟戦】 関を山口に引き留め続けるには、おいくら必要でしょうか?

2月は1勝1引き分けで、なんと負けなしのレノファ。

 

今節始まる前の順位は驚異の2位。

 

もし仮にこの新潟戦に勝つなんてことがあったら暫定1位になっちゃうよぉ。

 

まぁ、日曜日にどうせ横浜が勝つでしょうし、他のチームも勝ち点を積み上げるでしょうから、約24時間くらいしか1位の座に座れないんでしょうけどね。

 

三日天下より短い天下取り日数やでぇ。

 

(※結局横浜が大分に勝ちました。見応えのあるとてもいい試合でした。)

 

 

流石にこの時期に順位の話題で盛り上がるのはどうなの?って話ではありますが、まぁ、そんなこんなありながらレノファは今シーズン初めてのaway戦を迎えました。

 

相手は新潟。

 

よく知らんけど本間が選手としてのガチのマジのピークを迎える前にサクッとJ1に昇格してしまいたい思惑を持ってるクラブでしょう。

 

理想は本間と共にJ1に昇格したタイミングか、クラブを1年J1に残留させて「ありがとう個人昇格」で遺恨なく本間海外移籍、っていうストーリーなんじゃないかな、と。

 

すいません。私、新潟に詳しくないので本間の心がどこにあるのか知らないんですが、勝手な偏見で書いてます。

 

前シーズン序盤はブッチギリで首位を快走していたものの、終わってみれば6位。

 

一時期コンディションなのか戦術上なのか理由は知りませんが本間がスタメンから外れたり、千葉と舞行龍のポジションを変えたり、なんか迷走してた印象がありました。

 

今年はメンバーが大きく入れ替わることも無く、むしろ主力選手たちの引き留めに成功してるので新監督の下、一気に昇格してしまいところ。

 

ところがここまで2試合で2引き分けとあまり快調な出だしを切れなかった新潟。

 

昇格に向けて「ボチボチ調子を上げてぇなぁ」ってタイミングで今シーズン初のhome戦、かつ相手は前年15位のレノファ。

 

 

ここいらで毎年降格争いしてるクラブをhomeでボコって勢いに乗りたいクラブと、なんか知らんけど出だしから調子が良くてawayとはいえ格上クラブ相手にもワンチャンいけんじゃね?っていうクラブの対戦になりました。

 

 

 

 

結果は 1-1 の引き分け。

 

 

 

 

新潟としては「また勝ち点1かよ」でしょうし、レノファとしては「やったぁ!勝ち点1やぁ!」な一戦をレノファ視点で振り返っていきたいと思います。

 

 

 

 

まず、お互いのフォーメーション。

 

レノファは ”4-1-2-3” 。

 

新潟も ”4-1-2-3” 。

 

ミラーゲームとなった一戦な訳ですが、お互い似たような悩みを抱えつつも、新潟は「個の力」で、レノファは「戦術」で打開しようとした試合でした。

 

 

レノファは前半のプレスに関して「イケイケゴーゴー」で前からハメに行くというよりも、低すぎないディフェンスラインを設定して ”4-5-1” の中盤フラット型にてある程度自陣で構える姿勢を見せてました。

 

これが狙いだったのか新潟にそうさせられたのかは分からんのですがね。

 

ってことで新潟としては両CB、アンカーの高が割とボールを持てる状況にはなるものの、中盤は人海戦術で埋めてるんで上手いことボールを前線に届けられない。

 

 

って思うじゃん?

 

 

届かせよるねん。新潟。

 

 

インサイドハーフの高木は受ける位置上手すぎるし、レノファが中盤の選手にチェックに行っても剥がしよるのよ。新潟。

 

マジでバケモン。

 

迷惑やからはよJ1行け。

 

 

まぁ、とはいえ流石に中盤に人数割いてる、加えてワントップの大槻による献身的なプレスバックもあって力技で崩されるものの、最後の最後で決めさせないディフェンスには成功していたレノファ。

 

むしろ新潟の決定機は新潟のボール保持からではなくボール非保持からの方が多かった印象です。

 

そう、つまりレノファの自滅や。

 

最初に書いた「お互い似たような悩みを抱えつつも」の部分。

お互い「最後尾からのビルドアップ」に課題を抱えてたんですよね。

新潟はそれでも何とかやってましたけど、レノファは自滅して致命傷になりかけてました。

 

 

まぁ、それでもGK関がなんとかしちゃうんですけどね。

 

 

”4-5-1” 中盤フラットディフェンスやら、大槻の頑張りやら、本間殺しの吉岡・真鍋ダブルチームやら、舞行龍から右SBの藤原にパスが出たら沼田発射やら、なんやかんやディフェンスの形を見せてましたが、そんなもんレノファディフェンスの枝葉の部分よ。

 

本命は「関」。

 

レノファの守備戦術は「関が全部止める」。

 

今年もこれ。

 

レノファの今年のスローガン「挑戦&挑戦」を可能にしてるのは関様のおかげ。

 

 

ってことで新潟に(仕組みで崩されるというよりも)「個の力」でぶん殴られようと、自陣からのヘボいミスで致命傷を負いかけようと「戦術・関」でなんとか耐えていたレノファディフェンス。

 

 

次にレノファの攻撃を振り返ってみます。

 

後半は置いといて前半関しては「アンカー・高 の脇」を狙っていたレノファ。

インサイドハーフの山瀬・池上、特に池上はポジションを外れて横や斜めにダイナミックに動いて高の横のスペースに走り込んでいました。

 

ビルドアップに関しては、前節ほど関が高い位置を取れないものの基本「GK上げ(込み)ビルドアップ」でボールを保持していた印象です。

 

新潟は基本前からハメ殺しに来ていましたが、レノファの右SB真鍋は内に絞りCBからウイングへのパスコース作る”渡邉式”のポジショニングをし、左SB橋本は右とは逆に張ってウイングの沼田と縦関係のポジションを取っていました。

 

で、橋本と対面する新潟の右ウイングのイッペイはそのまま橋本につきっきりというより、中央を閉めるポジションを取っていたのでなんだかんだビルドアップの出口になれた橋本。

 

てことで割とフリーでボールを受けられた橋本や、なんかかんかボールを受けられた佐藤謙介が高の脇に走り込んでくる池上にボールをつけようとするものの、上手いこと渡らず中々シュートまで行けない展開が続いたように見えました。

 

(左ウイングに高木、左インサイドハーフに神垣置いて、高木を内に絞らせて明けたスペースを橋本に使わせ高い位置に。橋本が空けスペースに佐藤謙介か神垣を落とす ”大分式” なんかやったら面白いと思うんですがね。今年のレノファがそういうのを仕込めてるかも、やる意思があるのかも知りませんが。)

 

 

そんなこんなで攻守にあまり勝つ可能性を見出せない前半となったレノファ。

 

 

「このままいっても勝ち目ねぇわ」なレノファと、「そうはいっても点が入らねぇ」な新潟。

 

迎えた後半。

 

まずはレノファが打開を図りました。

 

前半は ”4-5-1” 中盤フラット型で構える守備を選択していたレノファですが、これを、インサイドハーフ・池上を一列上げる ”4-4-2” に変え、前半はフリーでボールを持たせていた千葉・舞行龍にプレスを掛けに行きました。

 

基本的には大槻・池上がアンカーの高を抑えながらプレスするという、前節やられた ”秋田式プレス” を今度はレノファがやってみるという、言わば ”なんちゃって秋田式プレス” なわけですが、一応山瀬が予備で高を見張ってたりしてた印象です。

 

なんか場合によっては佐藤謙介が最前線にまで突っ込んできてたように見えたんですが、これは・・・私の見間違えでしょうか?

 

前半はボールを奪えても位置が低すぎて自分たちのビルドアップミスで致命傷になりかねてたし、高の脇狙っても上手いこと渡せねぇわ、ってことで多少リスクを伴いますが「前から行ってショートカウンターじゃ」に切り替えたレノファ。

 

なんか塾長率いる大宮も(引き分けでしたが)新潟相手に前から行って2得点したわけですから、「相手の嫌がることしようよ」と発信し続けてる名塚監督が、その発言通りに動いて来たわけですね。

 

「最後尾からのビルドアップに悩みを抱えてる」チーム同士なわけで、今度は新潟にも多少は苦しんでほしいですからねぇ。

 

大槻・池上・山瀬次第ではありますが勝負をしに行った後半。

 

 

先制したのはまさかのレノファ。

 

 

気が付いたら沼田が藤原との1対1の局面になっていて、そこをドリブルで半歩躱してクロスを上げ、中で大槻が決めました。

 

形としては開幕戦に似てるシーンでしたね。

 

あの時は大槻がホームランを打ちましたが、今回は倒れ込みながら丁寧に流し込みました。

 

ウイングからのクロスに対して、ボックス内に侵入していき、「来るっ」ってタイミングの少し前に止まってフリーになるお見事なテクニックでした。

 

「なんかレノファ調子いいけどCFが点取って無くね?」っていう漠然な不安という名の贅沢な悩みがモヤモヤと湧いてましたからね。

 

本人もクラブもサポーターにとっても嬉しい得点となりました。

 

 

さぁ、こっから勢いに乗って新潟を更なる混沌に巻き込みたいレノファでしたが、得点後ちょっとして大槻が負傷交代。

 

さらに段々髪が爆発してきて明らかに疲れの症状が見えてきた山瀬。

 

 

試合前のプランもあったと思いますが、中々難しい状況になってきた名塚監督。

 

見てる分には大槻を兒玉に、山瀬を神垣に、っていう交代が妥当に思ってましたが、名塚監督は大槻→兒玉、山瀬→田中渉を選択。

 

マジかよ・・・。

 

こっから点取りに行くんかい。

 

梅木がいない現状、大槻が負傷交代したら状況によりますが得点は狙いにくいはず。

まして後半山瀬がやってた役割を一番担えるのは神垣だと思うんですがねぇ。

まぁ、この辺は開幕前や試合前のプランもあるでしょうし、「レノファかくあるべし」みたいな姿勢をサポーターに見せるのも大事なことやと思うんで、何とも言えんですね。

 

 

大槻無し、山瀬→田中渉、謎のスコールもあって「事故無くこのまま試合が終わりますように」と願うも77分に失点。

 

 

佐藤謙介のロストからカウンターでやられたわけですが、決めた本間と真鍋はロストしたときは同じくらいの位置にいたんで真鍋にフルスプリントバックを期待したかったですね。

 

まぁ、真鍋はあの時間ヘロヘロだったでしょうし、仕草からオフサイドを狙ってたんでしょうけども。

 

ボールホルダーの後ろから走り込んでくる選手相手にオフサイドを狙うのもなかなか難しいもんだと思うんですが、真鍋のこの試合での貢献を考えると責められんのですがね。

 

 

この後、佐藤謙介佐藤健太郎、池上→神垣 といった交代を見せ、山瀬の役割を神垣が、池上の役割を田中渉が担う変更などあり、田中渉が何故かキレキレになって惜しいシュートを打ったりするも試合終了、と。

 

 

 

 

この試合の感想は第一に「新潟相手にawayで勝ち点1は素晴らしい」ですね。

 

去年15位だったチームがようやっとる。

 

前節は「GK上げビルドアップ」を、今節では「インサイドハーフ上げ ”4-4-2” プレス」を見せてくれました。

 

各試合に対してしっかり積み上げられてる感が去年の渡邉監督の試合を見てるようでうれしい限りです。

 

まぁ、渡邉監督はマジで0から創造してましたけど、名塚監督はコンセプトに合わせて肉付けしてる、って印象なので積み上げの質は違うんですけどね。

 

 

で、前節、今節の試合を見て思うのは「神垣はなんでスタメン取れんの?」ってことです。

 

っぱ、すげぇよ・・・ガッキー。

 

この選手いるだけでボールが前に進むよ。

 

うーん。

シーズン長いし、前節山瀬は結果出してるし、皆が疲れた時間帯で鬼のようにパスコース作りまくってくれる存在を残しときたい意図何でしょうかねぇ。

 

いつやるかは分かりませんし、やるかどうかも分かりませんが、「競争相手をチームの仕組みに合わせて変更する」っていうテコ入れに期待したいです。

 

この試合までは

 

インサイドハーフ 池上、神垣、島屋

 

インサイドハーフ 山瀬、田中渉

 

という序列だったと思うんですよ。

 

 

ただ、 ”右インサイドハーフ上げ 4-4-2 プレス” を今後もやる可能性があるなら神垣と田中渉の位置を入れ替えてみてほしいですね。

 

田中渉を中盤のディフェンスに組み込むよりも、池上みたいに一列上げてCBにプレスさせる方が合ってるとは感じるんですよねぇ。

 

実際この試合では 田中渉上げ、神垣下げ が機能してましたし。

 

なんなら試合開始から「池上上げて、神垣にバランスとらせるやり方でよかったんじゃね?」って思いましたしねぇ。

 

 

まぁ、まだ開幕して3試合ですし、開幕前に設定しといたであろう競争プランみたいなものをいじる必要はないとも思いますが。

 

 

ちゃんと一試合一試合に収穫あるんで見てて面白いのも事実。

人間がやることなんでポンポン色々動かすのも難しいでしょうし、ゆっくりと成長していければいいんじゃないでしょうか。