これっすね。
愛する霜田監督がなんか取材されてます。
「ポジショナルプレー」とか「ストーミング」とか「アタッキングパス」とかサッカーライト層を寄せ付けず切り捨てるストロングワードをテーマに話をしてますね。
細かいこと抜きにして、先日、J3から昇格したチームにボコられたチームの監督が「世界~」とか言ってます。
まー、取材の時系列もありますからね。
この記事が世に出る直前でボコしたギラヴァンツが悪い。
勝ち点取ってって、その上霜田監督の説得力まで粉砕したわけですからね。
やりすぎやって。
せめて1点くらい返させてくれればギリ面子も保てたかもしれないんですけどね。
完封しおって。
おのれ。小林監督、来年レノファで指揮取ってくれ。
この話は置いといて。
霜田ワールドに触れられる素敵な記事でトリップして最高にハイな気分なので、霜田監督のコメントを拾いながらその感想を書きます。
ー今のお話も踏まえて、ザッケローニの頃から今に至るまでの日本サッカーの流れはどうご覧になってますか?
霜田「僕が協会の仕事をやってた8年間は、どの監督さんと一緒にJリーグのクラブを見に行ってもみんな同じことを言っていました。Jリーグのオーガナイズはしっかりしているとか、日本人は真面目で一生懸命でよく走るねとか、そういう褒めるところは褒めます。でも試合のインテンシティが低かったり、攻撃と守備が分断されていたりするところは良くないと。そういう指摘をずっと聞いていました。いざ自分がJ2で監督を始めると、その通りで、やっぱりボール取りに来ないんだ、点差関係なくボールを失ったらみんな引くんだ、とは思いましたね」
技術委員長やってた頃の感想と、実際監督やってみての感想ですね。
さて。
なぜ当時のJのサッカーが攻守分断されてるのか考えたことあるんですかね。
ボールを取りに行ったり、みんな引かないようにした結果レノファの失点数どうなってるか、一度2018年から今年のレノファの得失点差を順に口に出してみてほしいですね。
霜田「だけど、だんだん海外の情報が日本に入ってきて、戦術の分析や言語化が進み、日本の指導者も世界のサッカーと同じようなエッセンスを持ってやろうという意識が生まれてきていると感じます。もちろん選手のレベルは違いますし、できることとできないことに差がありますけど、志としてやろうと目指しているチームが増えてきてはいるなと。それの最たるものが去年マリノスが優勝したということなのかなと思います」
この一連の上から目線のコメントは素晴らしいですね。
何を根拠にそんな立場で物が言えるのか。
このやべぇコメントしてる人が監督やってるチーム、現在J2の下位をさ迷ってます。
せっかく技術委員長とかいう裏方から、Jリーグの監督という現場に立てたのに、未だに技術委員長の感覚を捨てきれてないところに霜田監督の妙味を感じますな。
2018年から今年現在までの自分が指揮したチームの順位を順に口に出してみてほしいですね。
西部「レノファからもマリノスに選手が行きましたけど、スタイルが近いということもあるのかもしれないですね」
霜田「そういう意味では、レノファは日本がW杯で戦うような立ち位置でJ2を戦わなきゃいけないので、負けたくないとか、J3に落ちたくないということを考えると、もうちょっと現実的な戦い方もきっとあるんでしょうけど、それでは選手は伸びないし、上のレベルに行った時に適応できないので、やっぱり世界の流れを意識したサッカーをやりたいなと考えています」
くそやべぇポイント盛り盛りのところです。
個人的にはここで3回くらい読むのを挫折しました。
り、理解が追い付かねぇ。
レノファが日本代表の立場でW杯を戦うようにJ2を戦わなければならない?
なぜだ。
どうしてこうなった。
だけどこれ霜田監督はめっちゃ真面目なトーンでしゃべっちゃってるんやろな。
そこをイメージしちゃうと何も言えねぇ。
なんで現実的に戦ったら選手は成長しないんだ。
世界をイメージって、それでJ3から昇格したチームにボコ……やめましょ。
日本サッカーの育成を何故か勝手に背負っちゃってる立場でコメントしてくるのを微笑ましく見守りましょうか。
西部「先ほど、ここ何年かでサッカー界でも言語化が進んできたというコメントがありましたが、言語化の重要性については、どうお考えですか?」
霜田「指導者としては選手全員に同じイメージを持たせたいので、その意味で言語化はとても大事だと思っています。同じイメージを自動的に持てるようなキーワードを言ったりしますしね。代表チームよりは時間がありますけど、30人いたら30人みんな頭の中がバラバラなので。僕がやってほしいプレーのイメージとか、絵みたいなものを瞬間的に、みんな同じように思い浮かべられるような言葉をなるべくシンプルに作りたいなと。難しい言葉でどういう意味だろうと考えちゃうと、概念よりも言葉を覚える方が先になってしまう。最終的には言葉なんかどうでもよくて、その概念をちゃんと覚えてほしい。なので難しい言葉にはなるべくしないようにと考えています」
うーん。まー、別にいいんじゃないですか。
ーレノファのサッカー用語で「アタッキングパス」という言葉を聞いたことがあるのですが。
霜田「アタッキングパスは、パスの出し手はどこでもいいんですけど、パスの受け手、レシーバーが必ず逆サイドのワイドレーンの相手の最終ラインと同じ高さで受けるようなパス、と定義付けしています。例えば右でも左でもいいんですけど、どこかで詰まって顔が上がった時に、逆サイドにいる相手のSB、ウイングバックが絞っていたら、その大外の位置で、同じ高さで受けるイメージですね」
西部「ただサイドチェンジって言っちゃうと、同じ高さというところが入ってこないわけですね」
霜田「サイドチェンジとは明確に定義を分けています。サイドチェンジはサイドを変えるだけで、パスを受けた選手がどこの高さであっても当てはまります。それも1本のパスではなくて、3本も4本も繋がってもサイドチェンジです。これに対して、アタッキングパスは、1本のパスでそこに蹴ることです。そのパスがなかなか出ないんですけど、ボールホルダーもレシーバーも常にそこを狙おうと。もしそれが通ると、右のサイドアタッカーが左のSBと1対1になるので、そこからいろんなことができます。そのパス1本で相手が4バックだったら前の6人、5バックだったら前の5人を置き去りにできちゃうので」
長いっすね。
これってウイングかサイドバックをサイドに高い位置で張らせておいてそこにロングパスするってことですか。
それレノファが昔からやってたやつですよ。
なんなら得意にしてた形です。
今の霜田レノファでは効果的に使えてないですけどね。
「右のサイドアタッカーが左のSBと1対1になるので、そこからいろんなことができます」って直近の試合で言えば川井が該当してますね。
その川井はいろんなことしてますかね。
1対1で特にアイデアもなくマゴついてボール取られてるように見えてたんですけど。
サポートがないんですよ。
そのアタッキングパスとやらをするなら大外の選手の近く、ハーフスペースに選手置かないとレノファでは意味ないですよ。
1対1でどうにかする選手は絶賛ベンチ外なんですから。
右で言えば吉濱は(ちょっとボールを受けに下がりすぎる時ありますが)ポジション取り上手いですけど、池上は右のサイドハーフだと迷子になっちゃうんですよね。
言語云々コメントしてるんならしっかり池上にも伝えておけよと。
左も同じ感じで、高井がサイドに張りすぎて安在がハーフスペースで迷子になってるんですよ。
どういう狙いでアタッキングパスしたいんでしょうね。
これがわからない。
霜田「言葉にして良かったなと思うのは、選手とビデオを見たりすると、(マンチェスター・)シティの試合でもナポリの試合でも、このアタッキングパスいいよねって共有できるんですよね。同じ視線でサッカーを見るために、言語の統一は大事だと思っています」
霜「このアタッキングパスいいよね」
選「そうっすね」
終わり!
とても微笑ましい光景が目に浮かびますな。
西部「そもそも霜田さんがレノファでやろうとしているサッカー、選手たちに与えているイメージってどういうサッカーなんですか?」
霜田「今日のテーマに合わせていうと、ポジショナルプレーで攻撃をして、ストーミングで守備をしたいってことですね」
あっ、ふーん、はーい。
としか出てこないのでまだまだ霜田ワールドの片鱗すら理解できていない自分の到らなさが恨めしいです。
西部「なるほど。チームの特徴としてボールを大事にするというところを諦めていないのは、なぜなんですか?」
霜田「その方が選手がうまくなりますし、それを諦めてしまうとそこで成長が止まってしまいます。今『4』の選手を『4.5』にするとか、『6』の選手を『6.5』にすることを逃げないでやらないと、選手がうまくならないからですね」
霜田塾では「4」の選手が「8」になることは無さそうですね。
西部「GKもボールを繋いでいきましょう。後ろからできる限りビルドアップしましょうとなると、ミスも当然出るじゃないですか。そういう時はどういうリアクションになるんですか?」
霜田「ミス前提で話しているので、次にミスしないようにしようって言って終わりです。なので、次ミスしないためにはどうするのかを考えて行動に移してみるとか、練習の1本1本を意識させるとか、そういう地道な作業しかないので、ミスを怒ることはあまりないですね。同じミスを3回も4回もしたら怒りますけど」
西部「基本的にはミスが起きたらそれに向き合う」
霜田「はい。ミス前提なので。ミスが起きても諦めたくありませんし、上達するにはミスを恐れてはうまくならないので」
ミス前提で、それを極力回避していく、ミスが生まれにくい戦術で戦うではなく、向き合うというストロングスタイル。
かっこいいですね。
順位表は見ないようにしましょ。
西部「繋ぐということをやりつつ、守備ではストーミング。それはどういう風に組み立てていますか? ポゼッションするチームだったら、押し込める、押し込めるから高い位置でプレスができるという循環を作ろうってことなんでしょうけど、そういうことですかね?」
霜田「自分たちがこうやって攻めようというと、だいたいどこで失うかをある程度予測がつくので。だから、どこで奪われたら誰が囲みにいくとかね。奪われた瞬間下がらないとか、そういうシンプルな約束事をいくつか決めて、それを選手にやらせると。もちろん『5秒間で奪い返せ』って言って奪い返せない時もあるので。奪い返せないという前提で行けと言ってます」
西部「奪い返せない時にはこうしろっていうのがあるからってことですね?」
霜田「はい。そこまでセットで。『奪い返せ』だけで終わっちゃうと、『奪い返せませんでした』で終わっちゃうので。奪い返しに行きたいけど、奪い返せなかった後のこともセットでやろうという感じですね」
奪いに行きたいけど、奪い返せなかった後のセットというものを早くピッチで見てみたいですね。
もう3年目やで、とか思ってないっすよ。
西部「欧州の戦術を取り入れるにしても、良いところだけ真似するんじゃなくて、例えば外された時どうするの? というセーフティネットも張らないと、意味がないですよね」
霜田「そうですね。やりたいことがやれなかった時もセットで選手たちにトライさせるということは意識しています。やりたいだけじゃなくて、やりたいけどやれなかった。でもそのまま点を取られて終わりとか、負けて終わりになると、自分たちがやりたいことをやろうとして負けたんだからしょうがないよ、という話になっちゃう。それはプロのチームとしては絶対にやっちゃいけないことなので、あくまでも勝敗にはこだわりたいし、志が高いから負けてもいいとはまったく思っていません」
ん、お?
霜田監督って勝敗にこだわってたんですか。
これはいけません。
そうやって断定的に言ってしまうと取り返しがつかなくなりますよ。
もっとフワッとコメントしないと。
ただまぁ、「勝ちにいく」と断言しないあたりギリ保険は効いてる感じですかね。
セーフティーネットの張りかたを実践でもって伝えてくれる素晴らしいやり方です。
セーフティーネットの大切さを説きつつも、今既にこのコメント自体が自身のセーフティーネットでもあるわけだぁ。
西部「いわゆるいいサッカーをやるということと、試合に勝つということを、どっちかしか取れないみたいに言う人がいらっしゃるじゃないですか。でも実際はそうじゃないですよね」
霜田「そうじゃないです。いいサッカーをやったら勝つ確率は上がりますから。勝つか負けるかはいつもわからないって選手には言ってますけど、どうやって勝つ確率を上げるかという部分は共通認識を持ってやろうということですね。逆に言うと、ポゼッションもカウンターも全部ツールで、目的は勝つこと。あるいは目的は相手にボールを渡さないこととかね。手段を目的にしないのは大事かなと思いますね」
と、思ったら「目的は勝つこと」ってコメントしちゃいましたね。
誰しもうっかりはありますから、つい口走ってしまってものを追求してはいけないでしょう。
まー、質問も割りと意味不明なんですよ。
「いわゆるいいサッカー」ってなんですか。
それは「個人」にとってなのか「業界」にとってなのか。
この場合個人の「このサッカーが好き」という「主観」と、業界の「このサッカーが最適」という「客観」が混じった質問なのでややこしいです。
質問時の「いいサッカー」は「主観」、返答時の「いいサッカー」は「客観」っぽいんですが、スッと入ってこない。
というかこの二人が定義してるっぽい「いいサッカー」って「ポジショナルでストーミングなサッカー」でいいんですか?
字面が意味不明ですが、要は「世界で流行ってる戦術取り入れたら勝つ確率上がるよね」ってことでいいんですかね。
バルセロナのポゼッションサッカーが流行った頃、どのクラブも流行に乗ろうとしてぶっ壊れましたけど、同じ轍を踏む気満々ですな。
ああいうのは「出来るやつらがやってる」だけでしょ。
世界の流行に乗ろうとかわけ分からんことせずに、普通に「今いる選手で勝ちにいく」スタイルが無難だと思いますがね。
日本サッカーの育成を何故か勝手に背負ってる者の宿命なんでしょうかね。
以上!さすが!
愛してやまない霜田監督のコメントです。
フワッフワッしてかなり深いところまでトリップできましたよ。
今言ってることをはよピッチで見せてみーや
もうノド通り越して前歯の裏までこの言葉が当たっちゃってますが、2時間くらい飲み込むのに難儀してます。
書いちゃったのでもう飲み込めてないですね。
すいません。
結果が全てではないけど、でも結果出さなきゃ説得力ないよね。
霜田監督からはこのことに気付かせてもらいました。
シチュエーションによってはプロセスよりも結果の方が評価されるって実感を伴って教えてくれたわけですから。
そういう意味では私も霜田塾の塾生です。