【第32節 home 東京ヴェルディ戦】 〈名塚新体制初陣〉 評価するのは次節以降かなぁ

名塚監督新体制の初陣となった今節ヴェルディ戦を振り返ってみたいと思います。

 

 

 

試合前のインタビューで「攻守にアグレッシブに」「共闘」というワードが監督から発せられたように、選手たちは30度を超える気候の中試合の入りから実によくボールにアタックして見せてくれました。

 

桑原は体がバラバラになるんじゃないの?と見てる側が心配になるほど果敢にプレーしてましたし、田中渉は終盤足をつる程よく走りましたし、大槻はついにフィットしたのか初得点を挙げましたし、攻撃ではボールを収め、守備では上手くボランチを抑えながら相手CBにプレスし押し込まれた際はしっかりプレスバック出来ていて攻守に存在感を出してくれました。

 

これが渡邉監督が望んだ大槻の姿やったんやなって・・・。

 

なんで辞めた後に覚醒してしまうん?

 

っていうか今挙げた選手たち全員レンタル組やないか。

 

というは冗談で、ホント全員良く戦ってくれたと思います。

 

 

ただ。

 

池上ぃ・・・。

 

すまん。

 

今回は流石に擁護できん。

 

 

監督代わって新体制での初陣です。

新監督からは「共闘」のワードが出ました。

まずは1試合目ですから、余力を残すのではなく、最初からフルパワーで100パーセントで行こうと言っていました。」とも試合前に言われてます。

 

 

これだけの条件が揃っておきながら、

 

なんで一人だけコンディション悪いのよ・・・。

 

 

いや、池上が普通の一選手なら別に構わないんですけど、君キャプテンですやん。

なんなら先頭に立ってチームが今後どういう姿勢で試合に臨むのかお客さんにピッチで示さなきゃならない立場ですやん。

 

 

なのにいつも通りというか、いつもより悪いくらいのプレー・・・。

 

攻撃ではボールを持てばとりあえず横か後ろに返す。

(その選択がダメと言いたいわけではありませんが)

守備では戻れない。遅い。精度が低い。

 

池上がプレスに行くときにパスコースを切れないのは2019年から知ってるので構わないんですが、今節、特に今節ではその精度の低さを補う走力やガムシャラさに期待していたんですが、見られることはなかったですね。

 

「最初からなるべく高い位置、相手コートでプレーした中で、奪ってショートカウンター、もしくは押し込んだ中でクロスや中をこじ開ける。そういうことをやっていこうと言っていました。」

 

「やはりボックス内に人が入っていかないことにはチャンスは増えないです。うちのシステムで言えば、ワイドの選手がいますので、クロスが入る時は逆のワイドも入らないといけないし、逆のシャドーも入らないといけない。もちろんトップの選手もつぶれる覚悟で、大槻周平もやってくれていました。」

 

監督が試合後にこうコメントしたように、今節クロスに対してWBの選手たちもペナルティエリア内に入ってくるなどゴール前に人を増やしてたじゃないですか。

(まぁ、渡邉監督の時もそうでしたけども)

 

監督の意図としても、見ている側の希望としても、多少無謀でもチャンスがあればクロスを入れてほしいんですよ。

 

で、じゃあ、キャプテンの池上が何をしたかというと横にパス・・・。

 

まさかのやり直し・・・。

 

中に人はいてなんなら大槻は動き出しているにもかかわらず、です。

 

最終的には上がってきたCBの菊池や楠本がクロス上げてホームランにしてましたけど、なんでやん。

 

このレノファというチームで一番キックが上手いのは君じゃないの?

だからチームからプレースキック任されてるんでしょうに。

 

 

 

 

攻撃に守備に姿勢にとても不満でした。

 

とても自分が愛するチームの先頭に立つにふさわしい選手とは思えませんでした。

 

WBの桑原も高木もチームの為に身を削ってくれました。

 

キャプテンとしてチームの勝敗を預かっている者が。

なぜ「よくやった」と鼓舞しに行かないんでしょうね。

 

「キャラじゃないから」なのかもしれませんし、ロッカールームでは言ってるのかもしれません。

 

ただ、ずっとそのままでいいんでしょうか。

池上自身が変われるとしたらもうこのタイミングしかないですよ。

同じ姿勢で「練習を」してても変わらなかったじゃないですか。

キャプテンとして初めて挑んだシーズンは最下位。

今年は降格圏争い。

 

今の姿勢で結果は出てないんですよ。

ピッチで味方を励まして戦うチームだと観客に見せる。

そういう姿に、自分たちの愛するクラブのためにここまでやってくれるのかと我々は心を打たれ声援を送るわけじゃないですか。

今は声援は送れないですけど、手は叩けるわけで、必ず選手たちが見せてくれた物以上の後押しをお返ししますよ。

「応援してください」ではなく「応援させる」「これを見たら応援せざるを得ないでしょ」というところまで持っていってほしい。

私は2016年のレノファに魅了されてファンになりましたけど「応援してください」「サポーターになってください」とは誰からも言われてないですよ。

そういうもんです。

 

 

求めすぎですか?

 

26歳の若者には酷な要求ですかね?

 

私はそう思います。

 

歳も人種も性格も違う人間をまとめるなんて並大抵のものじゃないですよ。

 

長いシーズン自身が落ち込むときもある中で毎試合戦わなければならないんですよ。

 

きつい。あまりにもきつい。

 

でも。

 

それが出来るから、その過酷な戦いに挑戦するから、その資格を得たから「キャプテン」と呼ばれるわけでしょ。

 

 

 

もう一度書きます。

 

今のままでは不満です。

 

チームメイト全員が戦ってる中自身のパフォーマンスに四苦八苦してるようではむしろ邪魔です。

 

自身が望んだ立場なのかそうでないのかの本音は分りません。

 

ただ ”レノファ山口のキャプテンは池上丈二” は今シーズン揺らがないんです。

 

現状の姿から変われるのか、飲み込まれてしまうのか、注目しています。

 

残り10試合もあります。

 

10回もチャンスがあります。

 

本当に過酷なチャレンジですので応援しつつ見守りたいと思います。

 

 

 

 

 

まぁ、正直池上に対しては「キャプテンにするのが早すぎた」というのが素直な感想なんですけどね。

 

個人的に、キャプテンって自他共にふさわしいと実績的に説得力がある選手がなるべきだと思ってるんですよ。

 

池上がキャプテンに任命されたのって2020年からで、この時池上は初めてレノファのレギュラーとしてシーズンを過ごしたんですよね。

 

チームを預かる立場の選手がキャリア的に初めてのレギュラー獲得チャレンジ中だったわけで。

 

こんな過酷なことを同時に二つもやらせてやるなよ。

 

っていうのが正直な感想なんですよね。

まぁ、当時のレノファに激しいレギュラー争いなんてなかったように感じられましたけども。

 

池上をキャプテンにしたのは霜田監督で、意図としては2020シーズン池上をレギュラーで起用するから覚悟をもって臨んでほしいとかだと思いますし、他に任せられそうな選手がパッと思い当たらないからとかだと思いますが、結果池上にとってはなかなか苦しい結果になっちゃったな~と思わずにはいられません。

 

池上への不満を書きましたが、今書いたように経緯が経緯だけにあまり強くは求められないというか・・・、池上丈二という一人間が置かれているプロキャリアの難しさを思うと同情せざるを得ないよねっていう・・・。

 

ダメでも人生自体が終わってしまうわけではないので前向きに頑張ってほしいですね。

 

 

 

 

 

ということで、話を戻して試合を振り返りたいと思います。

 

まず、結果は 1-2 で敗戦。

 

先制するも逆転された、と。

 

 

試合前名塚新監督の下いったいどういう布陣で挑むんだろう、とワクワクしていました。

 

蓋を開けてみると布陣は ”3-4-2-1” で前監督と一緒。

ただ配置は楠本が左CBに入ったり、田中渉・佐藤謙介のダブルボランチとやや違う。

ベンチに本職CBを置かなかったり、ボランチの人選を見るに初陣は「攻撃的に」という新監督のお気持ち表明がしっかりとなされていたかな、と。

 

「名塚さんは ”4-3-3” にする!」みたいな噂をネットで見かけましたけど、フォーメーションの変更まで流石にしなかったですね。

 

崩す理由がないですもんね。

 

攻撃に関しては置いといて、守備に関しては前監督の形をそのまま踏襲していたのでそこは安心しました。

 

ただ。

 

前監督が作ってくれた ”5-2-3” の形をそのままやってたわけですが、となるとボランチの人選がおかしいわけで。

 

田中陸も神垣もピッチに立たせないとなると ”前に行ける(ついて行ける)人がいない” という問題が発生する、と。

 

前線3枚が空けた相手のボランチを潰しに行く役割の選手のことですね。

 

これ、レノファで「出来る」のが田中陸と神垣。

 

「出来そう」なのがヘニキ。

 

この3人の内誰も選ばれなかったので、大槻がプレスバック出来てる内はなんとかごまかせてましたけど、足が止まり始めてからは地獄で。

 

元々名塚監督的にも

 

「最初からなるべく高い位置、相手コートでプレーした中で、奪ってショートカウンター、もしくは押し込んだ中でクロスや中をこじ開ける。そういうことをやっていこうと言っていました。」

 

とコメントしていると通り、引いて構えるというのは望んでない形な訳で。

 

田中渉・佐藤謙介コンビでは前から行けなかった時の保険として引いて構えたところで耐えきれるわけもなく、2失点ともボランチの選手が見るべきエリアからロングシュートを打たれやられてしまった、と。

 

 

てことで「相手陣地サッカー」を望むならもうちょっと人選考えてほしかったなぁ。

というのが観戦後の感想ですね。

 

 

相手の3トップを困らせるためにビルドアップ時佐藤謙介がディフェンスラインに降りて後ろを4枚にしたりしてました。

 

「おお~ 見事!」と思う反面「それ要るか?」とも思ってしまうんですよ。

 

結局スムーズにボールを運んだところで前線がゴールという結果に結びつけられるかっていうと、それは出来なかったわけで。

 

田中渉・佐藤謙介コンビは「今のレノファ」ではマイナスになってしまうように感じました。

 

いや、二人ともくそ上手いし見てて楽しいんですけど、じゃあこの二人の守備負担を減らせるスーパーな3枚を前線に揃えられるかっていうとNOですし、この二人が作ってくれるチャンスや時間をチームの利益にすることが出来る選手たちが揃ってるかといと、これもNOなわけで。

 

あまりメリットがないんですよね。

 

この二人がチームにもたらしてくれるメリットよりもデメリットの方が上回ってしまう、という言い方でしょうか。

 

少なくとも二人同時起用ではなくて一人ずつだよね。

 

ってところに落ち着くかな、と。

 

個人的には「相手陣地サッカー」は間違ってない方向性だと思いますので、前線とボランチにはパワーのある選手の起用を望みたいんですがね。

 

パワーっていうのは、そうヘニキ!

 

って言いたいんですけどそうではなく。

 

もちろん純粋なフィジカル面ももとめたいところではありますが、肝は走力。

 

とりあえずボランチには前線のプレスについて行ける田中陸や神垣。

 

シャドーには、後はCBからGKへのプレスをマスターしたら完成してしまう高井さんは当然当確として、右シャドー。

 

相変わらずこのポジションだと消えてしまう池上に代わり、プレスを剥がされてボールを運ばれてしまっても戻れる強さのある選手の起用が望ましいと思うんですよ。

 

それが「出来る」のが島屋。

 

「出来そう」なのが草野と梅木。

 

以前長崎戦の中継を見たときに、渡邉監督のとなりにある戦術ボードが偶然見えたんですよ。

 

それによると ”3-4-2-1” から ”3-1-4-2” に可変してまして。

 

でその時右シャドーのポジションから右のFWの位置に上がる役割をやってたのが河野で実に合理的というか適材適所だったんですよ。

 

 

これ、やろ?

 

 

右シャドーの選手が攻撃時右FWになるやーつ。

 

左の高井さんがあんまりペナルティエリア内に侵入してくるタイプではない分、右はゴリゴリ侵入していって得点に飢えてる選手を入れてみよ?

 

今節途中投入で、久々の起用です。

何をすべきか言わずともわかりますよね?

 

っていうシチュエーションだったのもありますが、梅木は素晴らしいパフォーマンスだったのでこのポジションで活躍できるんじゃないかなと思ったんですよね。

 

まぁ、シュートは・・・ oh でしたけども。

 

渡邉監督の時には見られなかった「攻守にパワーを出せる選手」ってやっぱ大事やわ。

 

 

方向性として霜田式の「相手陣地サッカー」。

 

当時はそれを支える前プレスが全く完成しませんでしたけど、渡邉監督がそれを作ってくれました。

 

霜田式のサッカーを渡邉式で補って名塚式で「レノファのサッカー」が完成するか。

 

少なくとも今節のメンバーは多少違ったわけで。

 

次節に向けてしっかり人選を間違えないか、球際の強さといった細かい部分をトレーニングで積み上げられるか。

 

霜田監督、渡邉監督、そして名塚監督。

 

コメントやインタビューを見る限りとても「優しい監督」です。

 

ほぼ選手を責めることがありません。

 

「余力残さず最初からフルパワーで行こうぜ」って言葉をかけて45分持たない選手たちを見たら私だったらはキレます。

 

しかしこの名塚監督は「暑かったから」「普段トレーニングしてなかったから」とキレずに擁護までしてくれました。

 

逆に「お前ら普段何してん?」と思わなくもないですが、まぁ、そういう監督な訳です。

 

 

霜田監督も渡邉監督も戦術上の課題が出たときに、クラブの予算の関係もありますが「人」を変えるよりも「成長」を待ってくれました。

 

まさかJ2下位のこのチームに選手起用の忖度なんてあるわけない・・・はずなので、今節浮き彫りになった「ボランチの強度不足」「右シャドーのクオリティ不足」に名塚監督はどう対処するか。

 

精度や強度不足に関して名塚監督は「トレーニングでやっていくしかない」とかなりの頻度で「トレーニング」というワードを使いました。

 

おそらく本質的には霜田監督のように「選手の成長待ち」を望んでるタイプの方だとは思いますが、残りは10試合しかないわけで。

 

今監督に求められているのは「残留確定」という結果でしょう。

 

精度に関しては時間がかかりますが、強度に関しては小松や梅木が示してくれたのようにレノファは「持っています」。

 

 

 

ということで新監督の初陣で大事なのは「方向性を示せるか」いわゆる、お気持ち表明をピッチで表現できるか、だと思いますのでそこはある程度示せました、と。

 

なので次節以降にその示した方向性に沿ったサッカーが見られるはずなので、そこを楽しみにしましょう。