FC町田ゼルビア戦前

現在J2リーグ20位のレノファ。

勝ち点差的に次節レノファが町田に負けて、愛媛・群馬が勝てば最下位やんけの状況です。

なーんでこんなことになってるんでしょうかね。

といっても原因は分かりきってはいるんですけどね。

失点ですよ。失点。

13節終わって22失点は多すぎです。

とはいってもレノファがJ2に昇格して以降現在まで、シーズンの平均失点率が「1.5」を切ったことはないわけで。

元々失点に関しては多いチームなんですよね。

実際、J2に昇格して以降「被攻撃」に関してのデータは軒並み悪いです。

よく攻撃されるし、よくシュート打たれるし、よくチャンス作られるし、よく決められるし、その成功率も高い、と。

一回だけ昇格初年度の2016年に、シュートも打たせないし、チャンスも作らせない、という奇跡のシーズンを送りましたが、結局は決められちゃってましたし、その成功率も高かったんですよね。

この、失点が多いという課題に対して、

「失点にフォーカスして引くことはしない」と霜田監督がコメントしているように、レノファは失点を減らすために得点する、というかなり大雑把ですが、このアプローチで失点問題を解決してしようとしてます。

まさに「攻撃は最大の防御」と。

(リトリートなんかしねぇ、ハイプレスだ!)




というわけで、レノファの順位が上がってこないのは、

「失点を上回るほど得点出来てないから」

ということになるわけですね。

(攻撃時間が少なく、守備時間が長い、という状態になってしまっている)

(相手陣地内でのプレー時間が少ない、自陣内でプレーされる時間が長い)




なので、むしろ問題は多すぎる失点ではなく、少なすぎる得点、なわけで、13節終わって13得点はレノファにとってはやはり少ない。

今シーズン一試合平均「1得点、1.6失点」なわけで、理想はこれを逆にしたい、と。

もしそうなったらJ3時代に優勝した数字に近くなるので、レノファ旋風の再来となりそうなんですがね。

(J3時代は一試合平均「2.6得点、1失点」と化け物じみた成績でした)


では、なぜこんなにも得点出来ないか、なんですが。


レノファが攻撃面において高い数字を残したのは、上野監督体制で初めてJ2に挑戦した2016年と、霜田監督体制初年度の2018年です。

2016年と2018年ではやってるサッカーの内容(得点する方法、失点減への取り組みは「攻撃は最大の防御」で変わってません)が違うので、現在も霜田監督が指揮を取っていますし、2018年の数字と比べて問題点を見付けたいと思います。


2018年は過去最高順位となる8位を記録したわけですが、この年の攻撃はどんなものだったか。


データで見ると


よく攻撃し(攻撃回数・リーグ2位)

よくシュートを打ち(シュート・リーグ1位)

そこそこのチャンスがあり(チャンス構築率・リーグ8位)

よくゴールし(ゴール・リーグ3位)

その成功率はそこそこだった(成功率・リーグ10位)


というシーズンでした。


この高い数字に貢献したのは間違いなく

高木、オナイウ、小野瀬

の強力な3トップでしょう。

高木はシーズン8得点

オナイウはシーズン22得点

小野瀬はシーズン半分までで10得点

3人だけで40得点。

2018年のチーム総得点は63ですから、この3人だけで半分以上の得点を叩き出してたわけです。


レノファは勝つために得点する(得点機会を増やし、失点機会を減らす)というアプローチで取り組んでます。


なので霜田監督体制下ではリメンバー2018、強力な3トップを擁したいわけです。

「3トップが得点する形を作りたい」とのコメント通り、ほっときゃ点を決めてくれる3人が欲しい、と。


そんなわけで2019年は高井、山下、パウロの3トップ。

結果

高井はシーズン8得点

山下はシーズン11得点

パウロはシーズン5得点

3人で24得点。

2019年のチーム総得点は54なので、半分に満たない結果となりました。

この年は夏にやたら移籍で選手が出入りしましたし、フォーメーションも固まらず、この3人もレギュラー落ちしたりしましたので、「3トップで得点する形」が最後まで作れませんでした。




ということでリメンバー2018、2020年シーズンの今年は2019年の反省を活かし、クラブ(戦略の部分、主に編成)は頑張りました。


勝利のために得点を増やす(失点機会を減らす)

強力な3トップを用意する

目指すはネクスト高木、オナイウ、小野瀬


という流れですかね。


ネクスト高木は数字だけ見れば同じ成績を残した高井。

ネクストオナイウはイウリ。

ネクスト小野瀬は森。


という編成で挑みました。


結果

高井は現在浮田の出現でレギュラー落ちの危機。

イウリはオナイウほどペナルティエリアに侵入すらしない。

森はベンチ、ベンチ外。(最近復活してきました)

というところに落ち着いてしまいました。


霜田監督は「3トップで得点する形(4-1-2-3)」が頓挫すると4-2-3-1(4-2-1-3?)か3-4-2-1のフォーメーションを組む傾向があります。

今年は開幕戦だけ4-1-2-3を使用しましたが、以降は4-2-3-1(4-4-2)の形を取ってます。

つまり現時点ではリメンバー2018は失敗しちゃってるわけですね。

これは戦略(編成)のミスなのか、戦術(采配)のミスなのか分かりかねますが、まー、個人的には戦術のミスかなと。

現時点で4-1-2-3を

GK 吉満

DF 武岡、楠本、ヘナン、安在

MF 池上、高(アンカー)、ヘニキ

FW 森、小松、浮田

で組めばそこそこやれるやろと思えますしね。

(武岡が楠本のカバーを出来れば、なんですがね)



まー、現実はそうなってないわけで「僕が考えたさいきょうのめんばー」は置いておきます。


本題は、なぜこんなにも得点出来ないか、です。


そりゃ、3トップが点決めないからやろ、なんですが、まー、その通りなんですよね。


データで見ると

そこそこ攻撃し(攻撃回数・リーグ10位)

そこそこシュートを打ち(シュート・リーグ9位)

そこそこチャンスを作り(チャンス構築率・リーグ9位)

ほぼ決まらず(ゴール・リーグ14位)

成功率も低い(成功率・16位)

となってます。


一応現時点では、チャンス構築率が過去最高の数字になってます。

ですが、攻撃回数、ゴール、成功率が逆に過去最低の数字になっちゃってるんですよね。

いわゆる

「少ないチャンスで得点出来てない」

という状態なんでしょうね。

この3つの課題の内、どこに手を加えますかね。

霜田監督のコメントから察するにおそらく「成功率」でしょうか。

「いい試合は出来てる」

「チャンス(決定機)は作れている」

「最後のところで得点出来ない」

「このまま続けていく」

と、このようなコメントが多く、シュートに対する言及も多いので、やはり「成功率」かなと。


個人的には別のアプローチをしてほしいですがね。

2018年も特別成功率が高かったわけではありません。(リーグ・10位)

攻撃回数、シュート本数を伸ばしたから結果ゴールが増えていたように見えます。

なので、攻撃回数やシュート本数を伸ばす取り組みに期待したいのですが、難しいですかね。

強力な3トップを用意できず、4-1-2-3が頓挫すれば途端に成績が悪化する監督ですし、「僕らのサッカー」以外の戦術の引き出しを見せませんしね。

(出来ないのか、やらないのか、は正直判断出来ません。あのバラバラな選手配置やぐちゃぐちゃなシステムを見れば、出来ない、なんですが、あそこまで露骨だと「選手の成長目線」であえてやってるとも取れちゃうので、難しい)




レノファがここから順位を上げるためには、得点を増やさなければなりません。

得点を増やすための戦術的工夫はなされないことが監督のコメントから伺えます。

結論。

「みんなシュート練習しようぜ」




町田戦ではシュートがまず枠内に飛ぶことを祈ってます。




(まー、そもそも「僕らのサッカー」の要であるハイプレスが現在死んでるんで、攻撃データやらなんやら関係なくまずはハイプレスを復活させるべきだと思うんですがね)