【第13節 away ザスパクサツ群馬戦】 試行錯誤は続く

【結果】


1-2



【得点者】


レノファ


51. イウリ



ザスパ


80. 大前

90. 加藤





負けてしまいましたね。

先制点を決めたときには「ついにawayで勝利か。長かった」と思ったんですがね。

またaway勝利が遠退いてしまいました。




実は、前回「群馬の試合はハイライトでしか見たことない」と書いたんですが、何故か時間が取れましたので前節の群馬対琉球戦の1試合だけですが、群馬の試合見たんですよね。

その時は群馬、前プレスもノンビリしたもので、後ろでしっかりブロックを作る戦術を取ってました。

ただ、ブロックを作りはするものの、そこからボールホルダーに向けてプレスを掛けられてなかったんですよね。

なので、シュート打たれ放題、と。

攻撃面ではほぼサイドアタック。

たまに良い形で崩してシュートまでいくものの、肝心の決定力に課題がありなかなか得点出来てませんでした。(この試合無得点)


こんな感じでしたので、やばいシュート打たれるシーンは多くあるかもだけど、何だかんだで勝てるやろ、と思ってたんですがね。


今節の群馬は琉球戦がブラフだったかのようにゴリゴリ前プレスに来てました。

どうやらバレちまってるかー。

レノファがプレスに弱いことがなぁ。

と、しっかり相手を分析して試合に挑んでいる「相手リスペクトサッカー」でした。

(いや、まー、普通というか、当然というか)


対してレノファはいつも通り。

「僕らのサッカー」だったわけで。

前からプレスを掛けるスタイルを志向するチームでありながら最前線がイウリです。

プレスが相手ディフェンダーに掛からないんですよね。

なので浮田も森も連動できない。

結果相手のビルドアップ隊に悠々ボールを運ばれる。

そんな状況ですからね。

レノファのディフェンス陣も怖くてラインを上げられない。

かといってチームスタイル的にドン引きは選択しないのでチームが間延びする。

ボールを奪えてもレノファのディフェンス陣のメンツではビルドアップ出来ないので前線に蹴り込むしかない。

が、間延びしているのでセカンドボールを拾えない。

すなわち、「ずっと相手のターン」と。

群馬は決定力に課題がありましたが、あれだけシュートの試行回数増やせば、そりゃプロですから、決めますよね。


大体こんな感じで「僕らのサッカー」の悪い部分が出ちゃましたね。

新潟戦と同じやんけ。

なんなら昨年から同じやんけ。

と思いますが、まー、結局は「あれ決めてたらなー」「あれ防げてたらなー」とも言えちゃう内容でもあるので、「運が悪かった」で片付けられちゃうのかなと。


「僕らのサッカー」に対する詰めの甘さ。

もうこれは修正されないでしょうね。

そのサッカーしたいのなら、その選手のチョイスと配置違うくね?の部分はずっと直らないわけですから。

「僕らのサッカーを実行する選手」は「育てる」ものであって、「適正は考慮しない」ものとする。

こういった姿勢は良くも悪くも変わらないですね。

まー、それが霜田監督のアイデンティティーであってスタイルなわけですから今さら急にぶれられても困るんですがね。

「僕らのサッカー」以外の戦術を取らないので、どうしても「チームファースト」ではなく「選手ファースト」に見えてしまいますが、レノファの経営方針の大黒柱「育成」から考えて、しょうがないかなー、と感じます。

選手にとっては良い環境でしょうしね。

結果は問われず実戦を以て練習出来るわけですから。

まー、選手たちがそんな考えでレノファでサッカーやってるかは分かりませんが、そういうフレームは出来ちゃってますし、やってる内容がそう見えちゃうもの(「出来るようになってほしい」の起用)なんですよね。

ですが、

個人的には、これ、成長できる環境ではないと思ってます。

「こうなってほしい」「出来るようになってほしい」から来る「我慢の起用」はチームにも起用される選手にもいい影響を及ぼしません。

「公平な競争が失われる」「パフォーマンスの低下→メンタルの悪化」と「我慢の起用」にはいい印象がありません。

プロスポーツチームは大前提として「チームのために」がないとまとまりません。

その「チームのために」を「我慢の起用」は崩しちゃうんですよね。

個の力は伸びるのかもしれませんが、競技者として「チームのために」が欠けてる選手は需要低くなっている傾向を感じてます。

「個の力」を「チーム」に還元出来る選手が求められてる流れかな、と。

レノファでは「個の力」止まりとなってしまうんですよね。

それで本当に「レノファは成長できる環境」と言えるんでしょうかね。





と、ここまでが大雑把な感想です。

ここからはちょっと部分的に思ったことを書いていきます。




【イウリの起用方】


今節ではイウリが先発しました。

てっきり「イウリに前プレスを仕込めたんか?!」と思ってたんですが、相変わらず、でした。

5回に1回くらいはパスコース切りながらプレスしてましたけど「それは今やることか?」と感じるタイミングであったりするので、やはり現時点ではイウリにプレスを期待するのは難しそうですね。

攻撃においても、おそらく指示ではなく本人の特徴だと思うんですが、下がりすぎてしまう。

ハーフタイム中に出されたイウリのヒートマップを見ても「なんでそんなところが赤くなってるねん」と言いたくなるほど低い位置でプレーしちゃってます。

同時に起用された河野との相性がかなり悪く感じます。

イウリが中央レーンで裏抜け狙わないので、河野のプレーエリアが狭いままなんですよね。

交代まで河野が試合から消えてたのもそういった理由かなと。

あと、下がりすぎなうえに、低い位置から全力スプリントで前線に駆け上がるので肝心なときにスタミナが切れちゃってるんですよね。

後半追い付きたい場面でイウリがペナルティエリアに入れてませんでした。

本当にもったいなく感じます。

イウリはペナルティエリア内で仕事をさせればJ2でも屈指の選手だと思うんですがね。

イブラヒモビッチやメッシのように最低限の守備だけして、点を取るためのスタミナを確保しといてほしいんですがね。

あっちこっち下がったり駆け上がったりせず中央で待ち構えてもらう方がチームとしては助かるんですが。

そういった意味でも小松先発、イウリでトドメの形が望ましいのですが。

まー、霜田体制下のレノファではそういった起用はされないでしょうから、なんとももどかしく感じます。




【霜田式スパルタ教育】


5連戦で3試合連続フル出場していた真鍋と高が今節もフル出場しました。

これで4試合連続です。

真鍋も高も明らかにパフォーマンスが低下してました。

「あっ、こんなに悪くなるんだ」ってくらいには露骨なものでした。

昨年はキャプテンの三幸がほぼ全試合フル出場してましたね。

(三幸が休めたのってシーズンで1、2分くらいだったはずです)

見るも無惨なほどパフォーマンスが低下していたのにも関わらずほぼ全試合フル出場。

(判断力の低下、パス精度の低下、ディフェンスで粘れない、走れない、ひどかったです。「人類のキャプテン・ジェラード」だって休みはあったぞ、と)

今年はキャプテンの池上がほどよく休んでいたので大丈夫かなと思ってましたが、やはり犠牲者が出てしまってるわけで。

「信頼」で片付けてしまっていいものではないと思うんですがね。

(「疲れていてもお前にチームを託すよ~」的な)

サッカーは決断(判断)の連続で頭と身体が疲労するスポーツです。

現在のレノファにはパスコースが自動的に提供されるほど仕込まれた形はありません。

自分の判断で見つけなければならないわけです。

またカウンターをよくするし、されるチームでもあります。

頭も身体も相当疲れるチーム設計です。

疲れから来るパフォーマンスの低下→メンタルの悪化が心配です。

「いや、疲れてるだけだし」と跳ね返せる鬼メンタルの持ち主ならいいんですけどね。

まー、とはいってもチーム的にはありがたくないんですが。

特別な理由もなく、

ヘロヘロの真鍋>ベンチ・ベンチ外メンバー

ヘロヘロの高>ベンチ・ベンチ外メンバー

という起用なわけで。

そんなに2人に絶対的な個の力、チームへの影響力があるようには思えないですがね。

公平な競争は行われているんでしょうか。

これだ!と思われた選手は全試合フル出場。

チームは上向かないでしょうけど、選手にとってはいいのかもしれませんね。

そういうチームだよ、と受け入れて加入してるのかもしれませんし。


とはいえ、モヤモヤします。





最後に総評を。

【総評】


現状のレノファはビルドアップからの攻撃は出来ません。

余程相手のプレスが緩ければ出きるかもですが、メンバー的にきついです。

得点するにはカウンター、それもショートカウンターにしか期待出来ません。

最前線に小松、小松のプレスに連動できるメンバー、これならディフェンスラインも高く設定出来、カウンターしやすくなります。

前からプレスを掛ける戦術は疲労との闘いです。

真鍋や高をフル出場させてる場合ではないと思いますが。

霜田監督のコメントを見るに「誰が出ても同じように(僕らのサッカーが)出来る」という見解なようです。

ならせめて「僕らのサッカー」の要、前プレスを実行出来るメンバー(質、コンディション)をチョイスしてくれぇ、なんですがね。

「我慢の起用」の闇を感じます。


そういえば、

今節では両サイドの浮田と森がポジションチェンジするという形を試していましたね。

指示なのか本人たちのノリなのかは分かりませんが、上手くいきませんでした。

まだまだシーズンを通しての最適解は見つけられていませんが、試行錯誤は続けているわけで。

「僕らのサッカー」探しの冒険が完結してくれることを願ってます。